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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

9月17日 年功序列と抜擢~能力評価だの実績評価だのは人間には難しすぎる(#482)

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年功序列70%、抜擢30%――1977年に出た『人事万華鏡』という本で、松下幸之助さんが述べている数値感覚です。これが本当だとすると、松下電器はけっこう早くから能力主義的な会社だったように思います。

私自身、管理職として部下の評価をしていたときは、能力と実績の両方で評価させられていました。職級が上がるほど実績が重視されるという評価制度で、考え方としてはリーズナブルだと思いました。

ただ、能力であろうと、実績であろうと、評価指標はあるにはあるのですが、実に曖昧で難しい。部下と合意で決めるのですが、賞与がどうしても相対評価で配分されるので、こちらも相対評価になってしまう。みんなが納得するような評価にはなかなかなりませんでした。

評価自体は、定性的なものなので多くの人の合意で決めること自体は正しいと思うのですが、いつも得心がいかない。

能力や実績で評価するのは人間業ではないのです。

プロのスポーツは能力や実績で評価しているのではないかと言われるかもしれませんが、そんなことはまったくありません。

確かに査定はあり、ヒット一本がいくらとか、一勝がいくらとかという評価指標もあります。しかし、結局は「格」のようなもので決まっています。

格ぐらい曖昧なものもありませんが、しかし、なんとなくA選手よりB選手のほうが年俸が上だと多くの人が感じていたとしたら、だいたいその通りになっています。評価の不思議です。

私自身の考えを言わせてもらうと、会社は年功序列が基本のほうがいいように思います。キャリア採用の人には、年齢に応じて考えればいい。抜擢は役員昇進のときでいい。課長以上はがんばればいきなり役員になれる可能性がある。そんな会社がわかりやすくていい。

能力評価や実績評価は不満の温床になりがちで、私は勧められません。特に実績評価は、サッカーにたとえるとラッキーなゴールやアシストをどう考えるかが明確でない会社が多いので、優秀な社員のやる気をそぐことが多いようです。

少なくとも、会社が社員に対してどういう評価をするかは、雇用契約を結ぶ段階で明確にする必要があると思います。

若い人にはっきりと言いたいのは、能力主義や実績主義に憧れるのはいいが、あなたが納得する評価をしてくれる会社はまず存在しないということですかね。

今日の一言)人事評価は人間にはほぼ不可能だと、する側もされる側も理解している会社が一番いい。

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本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

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