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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

8月28日 生産を半減~昭和4年にワークシェア!?(#462)

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日本とヨーロッパでは、労働に対するに考え方に大きな開きがあるので、一概に決めつけることはできませんが、日本は失業者や就労困難者に対して厳しい社会であるのは確かなようです。

これは、失業や就労困難の原因をどこに求めるかなのですが、日本では本人、ヨーロッパでは社会という傾向があると言えそうです。

その根拠としてよく言われるのが、ワークシェアの普及に関してです。イギリスでは1970年代から実施されており、オランダ、ドイツなどで制度的に普及しています。

北欧諸国には、制度としてはありませんが、同一労働同一賃金という日本の経営者が聞いたら悲鳴を上げそうな原則が貫かれているため、同様の経済効果を上げていると言われています。

ワークシェアは、働いている人から見れば、自分の労働時間を減らされ、その分賃金も減るということです。隣人愛に基づく社会的合意がないとできません。

日本は、失業者や就労困難者には厳しく、自分でどうにかしろという冷たさ(ハローワークなどまったく機能していないのはご存じの通りです)があります。そして、そのほうが社会が良くなるかというとそんなことはまったくありません。

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なまじ労働しようと思うから、失業者とか就労困難者と言われるのであって、労働意欲を捨て去れば、案外楽になります。そのため生活保護受給者やホームレスの数は増える一方です。

税収は減り、社会保障支出はどんどん増える。日本が破産すると言われて久しいのに、これを逆転することを考えている政治家はいない。

それどころか、日本の強みの部分を「世界一でなくていいのでは?」などと言って、つぶそうとすることが国益にかなうと思っている政治家とそれを指示する国民が多数いる。末期です。

民主党が党内の国会議員だけで何かやっているようですが、まったく期待することができません。

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2011年6月の失業率(ただし岩手、宮城、福島の3県をのぞく)は4.6%、完全失業者が293万人とされています。

しかしながら、この数は何らかの形で求職していた人の数であり、ニート・フリーターなどバイトで暮らしている人は含まれていませんし、引きこもりや精神疾患のある人も含まれていません。その他いろいろな事情で、本人は働けるのに就業していない人の数は、完全失業者の10倍以上と言う人もいます。

逆に言えば、こういうことを解決すれば、税収は当然増え、社会保障支出は当然減り、そして内需も拡大し景気が良くなるに決まっているのですが、政治家は目先の人気取りに走るため、どんどん世の中をダメにしていく政策をマニフェストと称して喧伝する始末です。

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私は、ワークシェアや若い夫婦が共働きできるようになるための支援こそが日本を救うと思っていますが、ワークシェアに関して言うと、その先駆的なことを松下幸之助さんがすでに昭和4年に実施していたので驚きました。

昭和4年といえば世界大恐慌の年です。銀行がどんどんつぶれていく。今の日本は社会をダメにし、たくさんの問題を先送りしてでも銀行だけはつぶさないということのようですが、昔は銀行もつぶれたのです。

当然松下電器の製品も売れません。500人の社員を抱えて、松下さんはどうしたものかと悩んだとのこと。

人を半分にするか、借金をするか。しかし、銀行はどんどんつぶれていく状況で、金を貸してくれない。 社員を減らすのも忍びない。

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結局どうしたかというと、工場に関しては労働時間を半分にしました。ただし、給料は全額払う。人件費に関しては残業代を浮かせ、生産に関する間接費を半減しようという作戦です。

また店員は、休日返上で徹底的に売った。すると2ヵ月で在庫がはけ、工場労働も1日に戻せた。

いま実行しようとするといろいろと困難もありそうです。ただ、世界大恐慌という未曾有の事態で、社員をクビにせず、2ヵ月で乗り切ったのはやはり凄い。

その際に、ワークシェア的な発想で乗り切ったことに、我々はもっともっと注目してもいいのではないでしょうか。

今日の一言)世界大恐慌のような事態でも、みなでシェアすることで乗り切れる。

 

本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

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