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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

6月3日 責任の自覚~究極のラクになる方法(#376)

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松下幸之助さんは、イエス・キリストを例に取り、偉大な人は世の中のあらゆることを自分の責任と捉えている、諸君は少なくとも自分のしている仕事に対しては責任を持ちなさい、と説いています。

この世の中のあらゆることは自分の責任と捉えることは、抵抗があると思うのですが、実は究極の精神安定法の一つといえます。

私がこのような考え方をはじめて聞いたのは、たしか2005年のことだったと思います。あるセミナーで隣に座った方から、テストセミナーなので安くしておくから自分のセミナーに参加してくれないかというお話をいただき、ためしに参加したところ、このようなことを教えてもらいました。

私は、何度も書いていますように、神経症を患ったこともある実に心の弱い人間なのですが、この考え方――世の中のあらゆることの責任は自分にある――を知って、かなり気持ちが楽になったことを覚えています。

その後、何人ものすばらしい先生たちが同じことを言うのを聞いてきました。今日にいたって松下幸之助さんも同じことを言っていることを確認できました。

成功した上、尊敬もされている人たちは、みな同じことを言っていると言っても過言ではないようです。

さて、なぜ私はこの考え方を知って気持ちが楽になったのでしょうか?

それは、私がストレスを感じるときは、必ず人のせいにしていたということに気づいたからです。

部下に期待しては、期待通りに行かず、そのたびイライラする。

妻に対しては、こちらがこれだけやっているのに、向こうは何もしてくれないとイライラする。

公共の場でマナーの悪い人間がいると、なんでこんなやつがいるんだとイライラする。

自分の前をノロノロ歩いている人がいると、はじを歩けと怒鳴りたくなる。

このようなイライラの連続を、お坊さんでありベストセラー作家でもある小池龍之介さんは「業(カルマ)を積む」と言っていますが、その伝で言うと、私は悪い業を積んで、神経症にまでなってしまったのだと思います。

そこで、部下やビジネスパートナーが期待に応えてくれないのは、こちらが先に期待に応えていないからではないか、とか、妻が何もしてくれないように見えるのは、実はこちらもこそが何もしてあげていないからではないかとか考えるようになりました。

また、前を歩く人がノロノロしていると感じるのは、自分が余裕を持って出かけていないからではないかと思うことにしました。

公共マナーの悪い人に対しては、最後まで自分の責任と捉えるのは難しかったのですが、こういうマナーが悪い人がいる社会を作っているのは、我々一人一人なのだと考えるようにしています。

政治が悪いのも、東電の対応が悪いのも、本当に自分に責任はないのか。満足のいく答えは出ないのですが、しかし自分にも何か問題がないかを考えるだけでも、イライラや怒りは大きく減ります。

自分にも責任があると考えるのは、本当に気持ちが楽になる方法と言えます。

今日の一言)気持ちを楽にしたければ、自分にも責任があるのではないかと考えてみよう。

とはいえ、妻や親のような身近な人には、どうしても変な期待をしてしまい、ときどき機嫌を悪くさせてしまいます。未熟といえましょう。

ただ、阪神タイガースが弱いのは、ファンの自分に責任があると考えられるようになったのは大きい。これはもう本当にイライラしなくなります。阪神タイガースに期待しなくなるのは簡単でした(笑)。

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本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

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