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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

3月15日 発想の転換~仙台の被災者からの手紙(#296)

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自問自答)"馬車馬"になっていなかったか。"馬車馬"にさせていなかったか。

今日の「自問自答」は、松下幸之助さんが、馬車馬のように視野が狭いと、発想の転換ができないと言っているのを受けてのものですが、あまりセンスがいいと思えないので、無視することにします。

「発想の転換」ということであれば、このたび仙台で被災された、ある経営者の話が、参考になると思います。

彼は、一時期かなり苦しい状況でした。

その後、がんばって持ち直し、つい先月、新事業に本格的にシフトして、「これから、やりますよ!」というメールをもらったばかりでした。

ところが、この地震。保証・保険のたぐいがどれだけ役立つかは分からないのですが、彼はすべてをなくし、またゼロからの出発となってしまいました。家族が無事だったのが、不幸中の幸いでした。

その彼が被災地から、必死の思いで出してくださったメールを、許可をいただいて公表します。

おかげ様で元気です。

死ぬかと思いましたがまだまだだよと

生かされた様です。

事務所内はグチャグチャでヒドいもんです。

着工中の現場も1棟津波で流されてると思います...

参りました(^-^)...

どうやら新たな試練が届いたようです。

奇跡の営業所2には最高の場面ですね。(笑)

まあ、なるようにしかならないですよね...

頑張りますよ...‼

出稼ぎしてでも家族守らないと。

正念場です。

乗り越えられる壁しか現れない。

ですよね!

頑張ります‼

 

私は、涙があふれました。

「奇跡の営業所2」というのは、彼は拙著『奇跡の営業所』のファンなので、私は、「御社が立ち直ったら、物語にして出版しますよ」と約束していたのでした。つまり、「絶対立ち直るから、物語にしてくれ」というメッセージなのです。

まだまだご自分やご家族の救助を待つ方ががたくさんいる中で不謹慎かもしれません。心を痛めた方がいたら重々お詫びするしかありませんが、命があっても、これから大きな試練が待っているというのは重たい現実だと思うのです。

それは、被災地の方々はもちろんですが、準被災地といえる関東圏も同じですし、復興対策のために税金その他を負担しなければいけない他のエリアの方々も一緒なのです。当事者でない人はいません。

この試練を乗り越えるには、公共の助成金も民間の支援も大切なのは当然としても、まずは本人の心の持ちようだと思うのです。

多くの人が悲しみに沈んでいる未曾有の大災害を"天罰"だというような"逆転"の発想はいただけませんが、試練を機会と捉える発想が必要とされているのかもしれません。

ちなみに彼はどういう機会と思っているのかというと、みなで試練を乗り越えることで、会社のブランドを作ろうとしているのです。ブランドなどと書くと軽薄に捉える人もいるかもしれませんが、本当のブランドは、こういう血と汗と涙の物語から出来上がるのです。

「今日の一言」は、彼の言葉をいただきます。

今日の一言)乗り越えられる壁しか現れない。

モノゴトにはタイミングがあり、今日のような話はまだ早すぎると感じる方も多いと思います。そのような方々にはお詫びするしかありません。

ただ実態としては、その後この経営者の方から次々とメールをいただいており、仙台市内では、スーパーやガソリンスタンドで、私が住む関東と同じような情景が見られるとのことです。

先ほどは、原発の影響を避けるため、お子さんたちを秋田の実家に連れて行って、とんぼ返りで仙台に戻ってくるとのメールもいただきました。

すでに、日常を力強く生き始めている人たちも一方ではいるということで、テレビでは分からない情報をいただいていると思っています。

今、このブログを読んでいる方々は基本的にそのような方々だと思い、その方々へのメッセージとして書かせていただいたことをご理解ください。

 

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