時代の変り目なのは、ほぼ確実だろう(#213)
Q)いま流行りの成功法則はなんでしょうか?
司馬遼太郎の『峠』という小説を読んだことがありますか?
たった5年で、「江戸時代」があっという間に「明治」に変わったということが描かれています。
明治維新のほんの5年前までは、ごくごく一部の人を除いて、徳川将軍が治める士農工商の時代が終わるなんて誰も思っていなかったのです。
いま、その頃の状況とすごく似ている気がします。
私はNHKは見ないので、「龍馬伝」も見ませんでしたが、龍馬に惹かれる人が多いのは、いまが「幕末」そっくりだからかもしれないと思うぐらいです。
政治も財政も制度もすべて疲弊しています。国家は破産寸前です。制度だけでなく、政治家や官僚の質も落ちています。モラルの低下や犯罪も日常茶飯事となりました。国内にひきこもる人がいる一方で、積極的に海外に目を向ける人がいます。幕末とそっくりです。
そして、「志士」たちも活動を開始しています。それを応援する有識者も出てきています。これも幕末とそっくりです。
なぜ、「志士」が出てきていることを感じるかというと、注意してみれば日本中で年中「志士」たちのイベントが開かれていることもあります(これがホンモノかニセモノかを見分ける力はいまの私にはありません)。
もっとそう感じるのは、今年になってから「利他的」と「すごい」がセットで、いたるところで聞かれるようになったということです。
私が最初に気づいたのは、宮台真司さんの『日本の難点』という本でした。2009年発売の本です。そこで、「利他的な人間はすごいとみなされる」という論が展開されていました。
日本には「利他的なすごい人間」がすでにいるが、もっと増えていかないといけないということだと私は理解しました。
その後、しばらく忘れていたのですが、私の近所に住む某コンサルタント氏までもが、「すごい」会社をつくろうなどということを言い出しました。
さらに、小阪裕司さんの新刊『お客さまの「特別」になる方法』でも、利他的ということが、お客様と絆をつくる上でもっとも重要なことの一つだと書いてありました。
とどめは、昨日たまたまTwitterのTLで見かけて、思わずリツイートしてしまった、Kinki Kidsの堂本剛さんのこの言葉です。
誰かに対して嫉妬したり攻撃したりする時間があるなら、誰かを勇気付ける為に時間を使いたい。人間ってやつはなかなかそんな風に時間を使えないけれど、そう、僕自身もまだまだ下手くそだけどあきらめちゃいけない。
堂本剛『僕の靴音』より
堂本さんの利他性とすごさを感じます。
本当に「利他的なすごい人」なら、いまの時代確実に成功すると思います。
今日の一言)「誰かに対して嫉妬したり攻撃したりする」といったムダな時間を使わず、利他的なすごい人間になることに注力していけば自然と成功する。
その後、明治維新の立役者も腐敗したなどというツッコミをしている暇があれば、自分が利他的ですごい人間になるためにはどうしたらいいかを考えるほうが有意義かと思います。
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