けっこうたくさんの文章本も読んでるし、ビジネス書作家の知り合いも多いけど、「起承転結」を意識している人って少ないような・・・(#188)
どこで切られてもいいように、重要なことから話そう。
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▼週刊突破口
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読者からのご相談に答える形になっています。
今回は、起承転結で話そうとするのに、起か承のあたりで、話のペースの早い人たちに切られてしまうという悩みを持つ方から相談をいただきました。
●池上彰さんの教え
この悩みについての回答にあたることは、すでに池上彰さんが、ベストセラー『わかりやすく<伝える>技術』の中で述べておられます。それを私なりの語り口で説明します。
池上さんが言うには、起承転結は、コラムや雑誌記事などで使う方法論。それよりは、ふだんはニュース記事の書き方を参考にして、人に話をするほうが伝わるだろうと。
1 こういうことがありました。(リード)
2 詳しくは、こういうことでした。(本記)
3 それはこういう理由でした。(理由・原因)
4 警察などが調べています。(見通し)
5 ちなみにこんなこともありました。(エピソード)
(前掲書)
この順番で、ニュース記事は組み立てられているのだそうです。
この方法が優れているのは、時間や相手の興味の関係で途中で切られても、いちおうは完結しているということです。
なので、これを話し方に応用すれば、起承転結の途中で切られたと悩む必要はなくなります。
●起承転結を意識している人は少ない
ところで、起承転結を意識している人は、どれぐらいいるのでしょうか?
実は、私はぜんぜん意識していません。
私の周りのビジネス書作家の人たちにも聞いてみたのですが、意識している人はいませんでした。
それよりも各自の独自のフォーマットがあり、その流れで書くようにしているようです。
私は、雑誌記事も書いていますが、編集者に一度言われたのは、池上さんの言う「ニュース記事」の書き方に近いことでした。「本題から入ってください、エピソードは後でいいです」という言い方でした。
誠ブログのオフ会でも聞いてみたのですが、1人いたかいないかだったと記憶しています。
文章本もけっこう読んでいますが、「起承転結」を意識しようというような内容は記憶にありません。「いまさら」と思って書かないだけかもしれませんが。
ということで、起承転結を意識して書いているのは、新聞のコラム(天声人語など)ぐらいのような気がします。
実際、起承転結を意識した文章は、よほど「起」の部分が上手でないと、重たく感じてしまいます。そして、それはかなり難しいことのようです。
文章をじっくり味わうという観点からすると味気ない感じもしますが、すくなくとも情報を伝えるというような役割の文章は、どこで切られても構わない「ニュース記事」型を心がけるほうがよいと思われます。
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