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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

あなたの気配りは、自分の身を守るためのものと見られているかもしれません(#174)

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同じものを売っていても、お客の言葉で語れる人のほうがよく売れる。

最近、荻野功一郎さんというコピーライターでマーケティングのコンサルタントのコンテンツにはまっています。

この方のメルマガは、売れるキャッチフレーズの秘密を語っているもので、もうほぼ毎回掛け値なしで目からウロコです。

私自身、自社の商品(セミナーやコンサルティング)のコピーを自分で書いていますが、まだまだモヤモヤしている部分がたくさんあります。そのモヤモヤが毎回少しずつ晴れていく。これを称して目からウロコと言っています。

関心のある方は、ぜひメルマガを購読してほしいと思います。数日前に読んだものは、なるほどこれが顧客視点というものなのか!と驚きました。

たぶん、あまりにも簡単なことなので、私が書いてしまうと、そんなに価値があるの?とクビをかしげる人もいるでしょう。あるいは、あまり経験がないのに、自分でもできると思う人もいるかもしれません。でも、書かないと何も伝わらないので書きます。

お客の言葉で語るというのは、お客が自分で語っているかのように書けばいい――ということです。

●事例

家について、知れば、知るほど。
ダインコンクリートの家を、建てたいと思う。

ダインコンクリートライフ、積水ハウス。

これは積水ハウスのダインコンクリートという商品のキャッチフレーズで、荻野さんがメルマガで取り上げていたものです。お客様の言葉で書くということを説明するための事例です。

商品名がモロに出てくる、いっけん売る気満々のコピーです。しかし、ギリギリで踏みとどまっている。

「知る」のは誰?「思う」のは誰?そう考えれば分かりますよね?そう。このキャッチフレーズの隠れた主語はお客様なのです。

細かい言い回しの違いです。だけど、読む人は無意識に感じてしまう。どちらの立場に立っているのかを。

●応用

このような観点を手に入れるだけで、分かることはたくさんあるのです。

売れている営業マンは、やっぱりこういう話し方をしています。お客様が語っているのではないかという言葉遣いです。

売れていない営業マンは、逆です。自社の言葉で語ります。

営業マンが商談の場に連れて行きたくない技術者は、自社の言葉はおろか専門用語しか使い(え)ません。

●ちょっとずれるけど、根っこは一緒

要するに自分の立場でしかモノを言えない人を、人は信頼しない。信頼できない人からはモノを買えない。それだけのことです。

ところが、世の人たちの「気配り」を見ていると、「それだけのこと」がとても難しいということが分かります。

というのは、鼻につく気配りが多いから。 

自分が嫌われたくないから、自分がマナーも知らない人と思われたくないから、相手がしてほしいかではなくそうしておくほうが無難だから、etc.etc.・・・。

このような気配りを受けることも多いし、また自分でもしてしまって悔やむことがあります。このような気配りはすぐ分かるし、自分でもすぐにやってしまったことに気づきます。

気配りをされることで、自尊心が傷つくこともあるのです。

相手の立場を考えない気配りも、自社の立場でしか語れない営業マンや経営者も、根っこは一緒です。

荻野さんは近所に住む方で、たまに近所のコンサルで昼食会をするときにお会いすることがあります。そのときにPR用と思われる30分のセミナーDVDをいただきました。

長らく放置していたのですが、文章の表現に悩んでいたこともあり、拝見することにしました。

その内容があまりにも素晴らしかったので、メルマガに登録し、CD教材まで買ってしまいました。

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