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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

人間はみなワガママで自分本位~「みな」にはあなたも私も含まれている(#158)

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ビジネスの本質は、聞く耳を持たない人に売り込むテクニックではなく、聞く耳を持ってもらうことに注力すること。

●解説

昨日、日刊工業新聞ビジネスリーダーズアカデミーで「取引拡大に外せない営業力向上の3つのポイント」というタイトルで講義してきました(毎月2回に分けて、計4時間講義しています)。

その中で、「なぜ営業電話は嫌われるのか?」について考えるワークをやりました。

大きく3つの理由があるんですね。

  • 聞いているこちら側に商品の選択権がない(自分が買うものは自分で調べて選びたい)
  • 一方的に話をされる(こちらから口をはさむ間がない)
  • 相手を知らない

よく言われるのは、「必要がないのに電話が掛かってくる」ということなのですが、これは少しだけ違います。

というのは、みなさん「必要がないこと」が最初の数秒で分かるというのですが、それはあまりあてにならないからです。

私は職業柄、どのようなトークをしているのかを実地で知るため、営業電話に最後まで相手することがあります。そうするとだいたいは、どうしても必要ではないにしても、お得な商品が多いのです。

まったく不必要だと感じることは意外と少ない。前もって知っていれば、こちらから問合せをしたかもしれません。

必要性うんぬんよりも、選択権がないところにどうも問題があるようなのです。

さて、3つの理由を売る立場の視点で見てみると、結局人間というのは自分のことしか考えていないということが分かります。

しかし、これはあなたも私もそうなのです。売る側の立場で営業電話を聞いてくれる人間は(コンサルタントや学者がフィールドワークをしているときは別として)、まずいません。

それなのに営業電話がなくならないのは、売り込む側は、買う側の論理を忘れているからだとしか思えません。

どうしたらいいかは、既にお分かりですよね?

買う側の論理で考えればいいだけです。

  • どうすれば、選択肢の一つにしてもらえるのか?
  • 双方向の対話にするにはどうしたらいいか?(もっと言えば客側が話す時間を長くするは?)
  • 自分を知ってもらい、好きになってもらうにはどうしたらいいか?

売れている営業マン、伸びている会社は、このようなことを一生懸命考えています。その結果として売れるのです。

●裏解説

少なくとも私の周囲の人に対しては、もはや言わなくてもいいと思っていたのですが、意外と伝わっていないことに最近気がつきました。

自分や自分が贔屓にする人のやり方がベストだと勧めてくる人。まだ信頼関係ができていないのに、いろいろな提言をしてくる人。自分がいかに優れているか売り込んでくる人。こういう人が私の周りにも最近増えてきました。

私がいままでどんな試行錯誤をしてきたかを聞かれずに、提言だけされても、受け入れることはできません。本人は気づいていないようですが、こちらはバカにされていると感じています。

本格的にお付き合いして日の浅い人が多いとはいえ、不徳の致すところです。私自身、隙だらけだということでもありますし、大事なことは言い続けないとダメということでもあります。

 

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