コンサルタントがやりがちな失敗~『7つの習慣』【8】(#126)
自分の眼鏡を外し、相手の見地に立って、相手の観点から世界を見なければ、本当の問題を理解するところまでには至らない。(S・R・コヴィー)
●解説
『7つの習慣』の「第五の習慣 理解してから理解される」を読みました。
第五の習慣は、とても難しい。難しいので、冒頭の言葉のようなメッセージが繰り返し、繰り返し語られていました。
親や上司など経験や立場が上の人は、相談に乗るよといいながら、結局は自分の体験や価値観からアドバイスしてしまいがちです。
この「自分の体験や価値観」を、コヴィーは「自分の自叙伝」と呼んでいます。
私はコンサルタントをやっていますが、多くのコンサルタントがクライアントに同じようなことをしてしまいがちです。
しかし、相手の経験や価値観など相手の世界観を理解してからでないと、決して聞く耳を持ってもらえません。
「感情移入」が必要ともコヴィーは言っています。
先ほどは立場が上の人の例をあげましたが、いわゆる「ダメ上司」に対して何か進言するときも同じです。
その上司を敵対者だと思いがちですが、まずその気持ちを捨てなければいけません。気持ちを捨てるだけでなく感情移入して、なぜその上司はこういうことを言うのかを理解しなければ、建設的な話し合いは決してできないでしょう。
顧客や取引先とトラぶっているいるときもまったく一緒です。あるいは、社内で立場の違う組織間の争いがあるときも。
まずは自分から相手に感情移入し、相手の立場にたってモノをみることを考えましょう。
そうすれば、解決できないトラブルは極端に減るはずです。
●裏解説
コンサルタントは本当にやってしまいがちです。元々人に何かを教えたい人間がなる職業ですから(そういう意味では教師やセミナー講師も同じ?)。
あるプレゼン大会がありました。
社会的に有益な事業をしたい人たちが、支援者や資金を募るための大会です。
多くのコンサルタントがボランティアで集まり、プレゼンターとその支援者のために協力しました。
支援会が何回も何回も開かれ、コンサルタントたちは、プレゼンターのためを思って次々とアドバイスをしていきます。
コンサルタントたちは本当に熱心で、自分の専門知識をおしげもなく提供していました。
ところが、このアドバイスのほとんどがプレゼンターたちに不評だったのです。
コンサルタントAはこういうが、Bはまた違うことを言う。Cには怒られてばかりいる。などなどプレゼンターの不満はつのるばかりでした。
業を煮やしたあるプレゼンターが、関係者全員からなるメーリングリストに、プレゼンターの不満を率直に書き、支援会に動揺が走りました。
しかし、そのおかげで事態は収束し、プレゼン大会は大成功を収めました。
なぜ、コンサルタントのアドバイスが不評だったかというと、それぞれのコンサルタントが理想とするプレゼンテーションを、プレゼンターに押し付けていたからでした。
プレゼンターがどんなプレゼンをしたいのかを、もっともっと聞き出す態度が、コンサルタントたちには必要だったのです。
『7つの習慣』の著者スティーブン・R・コヴィーが来日するということで、キャンペーンをしています。
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1008/20/news059.html
ブログで紹介してくれるなら、一冊進呈するということで、先週土曜日より『7つの習慣』の読書録を書いている次第です。
次回は、「第六の習慣 相乗効果を発揮する」からです。お楽しみに。
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