自分が売っているものの価値は自分には分からない。(一日一言 #97)
価値は提供する側ではなく、提供される側が決める。
●解説
あたりまえのことですが、忘れがちなのであえて書きます。
なぜ忘れがちと思うかというと、自社商品の優位性を自分の口で語ろうとする営業マンとそれを指示するマネージャーが後を絶たないからです。営業トークを聞いていれば分かります。
反面、売れている営業マンは、顧客の声を活用していますが、漠然と集めているわけではありません。
聞く観点は、私見では6つほどありますが、その中でも特に重要なのは、その商品を選んだ理由です。
お客様が選んだ理由は、想像を超えていることが多いからです。
傾向としては、工夫なしで普通に売れる商品はだいたい想像の範囲におさまりますが、あまり売れていない商品に関してはまず想像できません。
ですので、数件しか売れていない商品を扱っている営業マンはラッキーです。想像を超えた訴求のしかたができるかもしれないからです。
すぐにでもお客様に選択理由を聞きにいきましょう。そこに本当の価値が潜んでいます。
●裏解説
実際に私の知り合いにも、お客様に聞きに行くだけで売上を稼いだ営業マンが何人かいます。
友人のM氏は、サラリーマン時代にある大手ソフトウェア製造・販売業者にいました。
世界中で何百万本、何千万本も売れているソフトがある一方で、M氏が売って来いといわれたソフトは、なんと日本全体で3社しか導入実績のないソフトでした。
M氏は、これは体のいいリストラだなと思ったそうですが、こんなことで辞めてしまうのも悔しい。
考えに考えた挙句、たとえ3社でも買ってくれた顧客があるのなら、何らかの理由があるのだろうと、顧客に話を聞きに行くことにしました。
最初は、よくある導入前と導入後の変化を顧客の声として使わせてもらおうぐらいの考えだったようですが、面白かったのはその製品を選択した理由。
とにかく想像を超えていたとのこと。
それをHPで訴求したところ、なんと数ヵ月で100本以上売れてしまった。
これは、私の知る限りもっとも成功した事例ですが、このような話は私の知人の間でもいくらでもあるし、本を読んだり、セミナーで聞いたりもします。
価値=選択理由とまでは言いませんが、価値は選択理由の中に潜んでいるものであり、それはお客様しか知らないのです。
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某大手家電メーカーでは、ソフトウェア開発業者を選定する際に1000項目近い選定基準を持っているとのこと。これは社外秘であり、数億円以上の価値があるということです。
選定基準は、営業機密になることさえあるんですね。