笑顔でやればいいだけなのに・・・~笑顔でやればいいだけなのだが・・・(一日一言 #95)
笑顔に勝る防具はない。
●解説
今回、ネタがなかなか浮んでこないので、先に用事を済ませるために外出しました。動くとなんかネタが見つかるものですから。
あるものですね。
自転車に乗った年配のご婦人の帽子が、交差点にさしかかったところで、ちょっとした突風で飛ばされてしましました。
そのままさらに飛ばされそうだったので、私は反射的に走って拾い上げました。
そのときのご婦人が、お礼と一緒に見せた笑顔がとても素敵でした。私も思わず笑顔になり、一瞬ですが、心の交流のようなものが生まれました。
彼女とすれば、自転車を止めて、降りて、自転車を立てて、さらに走って帽子を拾いに行かないといけない。もしかしたらその間にも帽子が飛ばされるかもしれない。面倒な上に半分パニックです。たぶん体力的にも自信がなかった。
そのときに、わざわざ走って拾ってくれた人がいる。これは感謝するしかないでしょう。
そういう状況でする笑顔には、人の心を溶かす力があります。
初対面の人が苦手という方は、こういう状況をイメージして、感謝の笑顔を見せるといいかと思います。
●裏解説
要するに、初対面の場を和らげるには、よくぞ私と会ってくださったという感謝の笑顔になればいいだけなのです。
しかし、笑顔になればいいだけだと分かっていても、書いている私でさえも忘れがちです。
先日もそれで失敗しました。
こちらに詳しく書いております。ご興味があれば、どうぞ。
▼伝えるつもりのないことを伝えるもの
http://www.itbt.biz/333eigyo/mailmag/000147.html
要するに緊張のあまり笑顔を忘れたら、やれ上から目線だのなんだのと、謂れのない(いや、あるかな・・・)悪評を被ったという話です。
実をいうと、上のリンク先では書いていない話ですが、まだ思い当たることがあります。
これって日本においては実はよくあることなのです。
「企業研修に行くと斜に構えた人が多い」と嘆く研修講師やコンサルタントがいるのですが、その姿勢の裏にある心理を理解していないことが多いようです。
その心理とは?
社内会議を思い浮かべてください。国会討論でもいいです。朝まで生テレビなんか典型的。
日本の会議のほとんどの時間は、各人の力関係の決定に費やされていることにお気づきになったのではないでしょうか?
これは極めて日本的な事態です。ただし、全面的にダメというわけではありません。
企業においては、長所としても働きます。力関係さえ明確になれば、あとは各人が決定事項(力関係さえ決まれば、決定はすぐです)を自発的にこなしていきます。
これが、国会や政府機関などの公の場においては、プラスよりもマイナスが大きいのは、私がくどくどと説明するまでもないでしょう。
さて当然ながら、力関係は、外部から来た人間に対しても明確にしなければなりません。
なので、彼らは外部の人間を緊張感あふれる態度で観察します。これが斜に構えて見える理由です。
※なお、本来「斜に構える」とは、剣術において隙のない構えをすることであり、外部の人間を前にした内部の人間は、文字通り斜に構えているのです。
笑顔というのは劣位表現でもあるので、外部から来た人間は、ことさら笑顔の重要性をわきまえていなければなりません。
しかし、私も日本人。力関係を探り合う緊張感の中に無意識に巻き込まれてしまいました。そして、あえなく高飛車コンサルのレッテルを貼られる羽目に・・・。
これを取り返すのは至難の業ですが、頑張るよりありません。笑顔で頑張ります。
なお、そのときは本当に無意識でした。こういうことだったんだと意識できたのは、下記の本を読んだからです。
▼『日本辺境論』 内田樹
http://amzn.to/a24rdM
私は、このブログでよく本のご紹介をしますが、この本ばかりは、部分的に切り出して紹介することができません。ものすごい誤解を招くだろうからです。
著者の内田氏も、この本は論理的には穴だらけで誤解を招くだろうとの旨を、何度も強調されています。私ごときがうまくお伝えできる本ではありません。
そもそもタイトルだけで、すでにいろいろな誤解を招いているように思います。
とはいえ、帯に「これ以降、私たちの日本人論は、本書抜きでは語れないだろう」とあるように、この本を読む前と後とでは、「日本人」に対する理解が大きく変わったのも事実です。
良い悪いではなく、これが日本人というものなのだと、まずは受け止めてみる。するとビジネスその他でいろいろなヒントをもらうことができます。
ご一読を強くお薦めします。
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