試行錯誤には2種類ある~確率の世界に生きるか、意思の世界に生きるか(一日一言 #91)
バクチ的な試行錯誤ではなく、意思的な試行錯誤をしよう。
●解説
333営業塾のメルマガを購読いただいている方には申し訳ありません。本日はほぼ同じ内容です。
試行錯誤には2種類あるようです。
一つは、とにかく幅広くいろんなことを試してみる。そのうちアタリが出るだろうという試行錯誤。
もう一つは、テーマをきちっと決めて、小さくはじめて、フィードバックをもらいながら、深く大きくしていく試行錯誤。
前者は、ある意味バクチに近い。
バクチと言っても宝くじのようなもので、通常の運の持ち主であれば、当たってもせいぜい数万円から数百万円まで。3億円なんて、まず来ません。
確率に身を委ねている限り、不幸が身近になるということを、こちらににも書きました。
▼運が平等だとか、運を引き込むだとかは、科学的には嘘っぱち~確率論を知って謙虚になる
http://blogs.bizmakoto.jp/toppakoh/entry/660.html
これを「誰に」×「何を」の組合せを明確にして、そこに売りに行こうと決めたとたん、確率ではなく意思の世界に入っていくことができます。
先日お会いしたクライアントは、以前の私ほどではありませんでしたが、テーマ不明確の確率論的試行錯誤の世界に入りかけていました。
我が333営業塾の吉見塾長は、帰りの電車の中でシミジミと言いました。
「あれ、分かるんだよなあ。売れないときは"新商品"を作りたくなる・・・。そうすると行動している気持ちになるんだよね」
既存の商品のパッケージや売り方を変えるだけでも新商品になります。吉見さんの言うのは、この意味です。
クライアントは、パッケージを変えて商品のバリエーションを増やすということをやっていました。
ただ、売り先はある程度見えるのですが、売り方がはっきりしない。集中が不足しているからです。
どういう人にどういうパッケージでというところまでは決めているのですが、そこに集中して売っていないので、売り方が見えてこないという状況です。
決断をためらっている様子もありました。分かります。この決断は自分では難しい。第三者の意見を聞きたくなるし、そうすべきです。
そこで、とりあえず、「誰に」を3つに絞って、それぞれ商品を1つずつに絞って集中的に売るようにしたらどうかという提案をしてきました。
3つというと多いようですが、それぞれの手間はあまり大きくないので、まず有望な市場を探しながら、営業のノウハウもつけるということを重点に考えた提案です。
さて、みなさんの取り組みはいかがでしょうか?
バクチ的な試行錯誤になっていませんか?
その場合、大当たりもありえますが、ほとんどの人は負け側に入ります。競馬だけで食える人などほとんどいないのと同じです。
テーマ(「誰に」×「何を」)を絞った意思を持った試行錯誤になっていれば正解です。
それでもうまく言っていないのなら、テーマをもっと尖らせるといいと思います。一度成功パターンさえ出来てしまえば、あとから拡げることは難しくありません。
●裏解説
2008年の私は苦しんでいました。。
常駐型のコンサルタントを辞め、3ヵ月の充電期間を経て、意気揚々と新事業に取り組もうと思っていたのですが、3ヵ月遊んでいただけだったので、顧客がまったくいない!
しかし、まあ1ヵ月もあれば、顧客がつくだろうと楽観していました。
ところが、1ヵ月は一瞬で過ぎ去り、2ヶ月、3ヵ月と過ぎても顧客はできません。
しかたなく、すぐにキャッシュになる自主開催セミナーを始めましたが、セミナー自体ももちろん、集客のノウハウがまったくなかったので、小遣い稼ぎにもならない。
幸い事例制作の仕事や執筆関連の仕事がありましたが、これも初心者でしたから、大した金にならない。
常駐コンサルのときにたまたま残っていた貯金は、あっという間になくなっていきました。
妻からは「もう絶望ね」の一言。本当に辛かった。
私が2008年にやっていたことは、ある意味バクチに近いことでした。
バクチと言っても宝くじのようなもので、通常の運の持ち主であれば、当たってもせいぜい数万円から数百万円まで。3億円なんて、まず来ません。
それどころか、逆正弦定理の示すところにしたがって、私は負け続けていたということです。
総括すると、2008年の私は、テーマが明確でなかった。
執筆⇒セミナー⇒コンサルティング⇒執筆・・・、という流れで事業を拡大しようと思っていました。
方法論的には間違っていない。
ただ、執筆はSE向け、セミナーはSEおよび営業向け、コンサルティングはユーザー企業の情報システム部門向け、というのではやはり仕事はきません。
それぞれに向けて、それぞれ違うことをやっていただけなんです。
そうなると、確率論の示す世界に入らざるを得ない。勝つか負けるかは神のみぞ知る。
そして、ほとんどの人は負け組に入ります(半々にならないところが恐ろしいところなのです)。
私が、この状態から抜け出せたのは、自分軸(誰に・何を・なぜ提供するのか?)を明確にして以降でした。
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