「元請け」はスキルと覚悟でいける!
先日、沖縄イシンが加盟している、沖縄県中小企業家同友会の那覇支部総会があり、参加してきました。
そこで、あるIT企業を創業された方のお話を聞く機会がありました。いくつか創業されているのですが、僕的には最初の創業が印象に残りました。
90年代の当時は、IT企業のエンジニア(SEとかプログラマーとか)は、月額単価(いわゆる、人月というやつです)で商売をしていました。ほとんどが客先常駐。(今でもそんな仕事は存在しますが)
月額で仕事を受注するわけですが、例えば東京で100もらえる仕事は、沖縄では70、60、下手をすると半分くらい。100万円の仕事は沖縄では50万円ということになっていたようです。
つまりは、沖縄のエンジニアの給与は、単純計算で東京の半分、ということになります。
しかしその方は、それはおかしい、ということで、自ら起業し、そういうピンハネ屋を介さずに受注する。つまりは、元請けとして正当な単価を受け取ることにしたわけです。
当日は、時間の関係と次の話で詳細にはお伺いできませんでしたが、元請けって簡単に言いますが、相当な覚悟が必要だったと思います。周りの軋轢もあるでしょうし、何よりスキルも必要になります。
これ、建築で考えるとわかりやすいのですが、例えば一軒家を建てるとしましょう。最初にやるべきは、設計です。なので、設計士が必要になります。
しかし、場合によっては、どこに建てるかも決まっていない。となると、設計士もしくは元請けの会社は、土地探しから付き合うことになる可能性もあります。
土地探しを終えたら、地質調査、地盤調査が必要です。どういう土地なのか、を調べることで、どれだけ掘って地盤を固めるのかを考えないといけない。それで費用は大きく変わります。
家を建てることが決まったら、各作業の職人さんを集めることになります。必ずしも、自社の従業員だけで賄えるとは限らない。それぞれの職人を探してきて、仕事を依頼しなくてはならない。
大雑把な説明ですが、これが元請けの役割であり、仕事です。
つまり、スキルも必要になりますし、何より元請けの覚悟が必要です。僕の家の場合は、土地確定から、家が出来上がり、鍵をもらうまでに10ヶ月ほどでしたので、元請けはその間の職人さんの給料を支払わなくてはなりません。
ローンは、鍵をもらってから発生するので、そこでようやく元請けに支払われるわけですので、その間の費用は細々と支払うわけではありません。その間を持ちこたえる金銭的体力も必要です。
こういった元請けの責任があるわけですが、下請けに甘んじず、元請けとしてやっていく覚悟とスキル。これは、これからのIT業界でも、とても大事なことだと感じた今日この頃です。