出世したくない人との付き合い方は?
「出世したくない」そんな若者が増えていると聞いて、昭和の男としては驚いています。
「若者に昇進の打診をすると嫌がられる!? 出世したくない若者が増えている理由とは」(フィナンシャルフィールド)
20代の部下に、昇進の打診をしたAさん。てっきり喜ぶだろうと思っていたら、「私が管理職に!? それなら、会社を辞めます」と言われて驚いたそうです。
僕も、こういう話を知らない頃に、こういう返事を聞いたら驚いたでしょうね。
ソニー生命保険株式会社が、社会人1年目・2年目の男女1000名を対象とした「社会人1年目と2年目の意識調査 2024」(調査期間:2024年3月)によれば、約半数が「出世したいと思わない」と回答しています。
同時に目を引いたのが、社会人1年生よりも2年生のほうが「出世したいと思わない」と回答した比率が43.6%から52.8%へと10ポイント以上も上がっているということです。
社会人1年生よりも2年生のほうが、出世したくない、ということは、彼らの上司を見てそう感じたのでしょうか。羨ましいとか、かっこいい、稼ぎたい、よりも、今のままがいい、ということなのでしょうか。
日本人は、世界的な比較においてもリスクを避ける傾向が強く、これは国民性ともいわれています。世界価値観調査によると、日本人は「自分は冒険やリスクを求める」のカテゴリーに、自分が当てはまらないと思っている人の割合が世界的にもかなり高いとの結果が報告されています。
たしかに、日本人はリスク回避の意識が強いとは思いますが、だとすると昭和時代の「24時間働けますか」は、いったい何だったんでしょうか。
一方で、こんな記事がありました。
「「出世を望まない」で生きられる人は、かなり幸せである理由」(ダイヤモンド・オンライン)
周囲から「出世したくないの?」と聞かれても、「だって、能力がないし向いていないんだもの」と一蹴してしまえばおしまいである。別に偉い人に取り入るために、お世辞を言う必要もない。プレーヤーとして他者と同等の仕事をしておれば、幸いなことに職を失う可能性は低いから、やるべきことだけを最低限やっておけばよい。
ふえ〜、こんな意識の人とは一緒に仕事したくない、と感じたりもします。
問題は報酬である。過去とは違って、職責が上がらないと給料も上がらない人事制度を多くの企業が採り入れているため、報酬が増えないことが想定される。これも、そこは覚悟を決めて、生活水準を上げない、消費生活以外の楽しみ方を身につける、といった方法でどうにか対処できる(会社の給与水準がそこそこ悪くなければ)。
最近は、初任給とか、最低賃金の見直しが進んでいる一方で、管理職の給与はどうなんでしょうか。ここも見直せていないと、逆に管理職から外れたい、なんて人が出てくるのかも。
僕自身、出世したくない、と言われれば、そういう人なりに「これだけやってくれればいい」を決めると思います。それを達成すれば、それで「おつかれさま」ですかね。
それにしても、アジア諸国にどんどん差をつけられている日本、のんびりしてる場合じゃないとは思うんですけどね。