「ダイハツの不正問題」に学ぶ、自社の規律
ダイハツの不正問題が、大きく報道されていますね。
「ダイハツに「是正命令」検討 国交省、企業体質を問題視」(日本経済新聞)
是正命令は自動車の生産過程で不正をした企業への行政処分で、企業体質に問題があると国が判断した場合に適用される。再発防止策の提出と進捗状況の定期報告を求め、命令に違反すれば50万円以下の罰金を科す。
罰金の額だけを見ると「軽いんじゃないの?」と思ってしまっても仕方ないと思いますが、それにしても大問題ですね。
自動車会社の不正問題と言えば、2000年の三菱自動車リコール隠しが有名です。僕自身、いまだに三菱自動車に乗りたいと思わないのは、このことがあったから。(それ以前のギャランGTOとか、GSとか好きだったんですけどね)
今回、僕自身は下請け会社が気になりました。
「ダイハツ工業の取引先は推計8136社」(ツギノジダイ)
ダイハツ工業は2023年12月20日、64車種・3エンジンの認証試験で、174個の不正が見つかり、国内外で手がけるすべての車両の出荷を当面停止することを公表しました。帝国データバンクによると、ダイハツ工業のサプライチェーン企業は、47都道府県に8136社、派生する売上高は計2.2兆円と推計しています。帝国データバンクは「出荷停止措置が長引けば、これらの企業業績や雇用、地域経済への影響が懸念される」と指摘しています。
ものすごい数の下請け会社がいらっしゃるわけです。これだって、短期間で見た影響であって、これから数年先までの影響を鑑みると、こんな数字で収まらないことは、容易に想像できてしまいます。
では、一方でユーザーはどうなのか。僕は、しょっちゅう茨城県に行くのですが、車社会の地域では、一家に一台ではなく、2台、3台と保有しているご家庭が多いです。また、農作業の軽トラなんて、ダイハツ車が多いんですよね。
ダイハツというとコンパクトカーのイメージが強く、実際そうではありますが、では車両販売数で言うと、トヨタ、スズキに続いて、国産車3番目の販売台数であるとのこと。そこから鑑みると、ユーザーへの影響も大きいです。
いま乗っている人が、心配だからと買い換えようにも、少なくとも直近では下取り価格にならないんじゃないかと思ったり。ここに対する保証があるのか否か。
とまあ、ここまでがダイハツのお話です。では、自分たちの会社で考えた場合。自社では、不正は起こらないのか。起こらない仕組みになっていないか。余分なプレッシャーを与えるようなことはしていないか。
「会社ぐるみ」というのは、具体的な不正を命令をした、指示をした、ということだけではないですよね。忖度を含めた、プレッシャーであり、記録が残らないけれど、明らかに指示をされたと受け取ったなど、もう少し広範囲になると考えられます。
なにも、社内は緩くやりましょう、という話ではありません。「コンプライアンス」という言葉が大きく取り上げられる今日において、自社を客観視し、見つめ直すことも必要だと感じた今日この頃です。