「優秀な社員」の定義は?
今朝の齋藤さんのブログが沁みます。
「プロでなければ生きにくい世の中になってしまってしまった/人的資本経営はこの課題を解決する」
素人は、自分の会社の仕事をきっちりとこなせる存在です。その能力が高ければ、自分が所属する会社では、役職も高く、権限を持っていて、まわりも従ってくれるでしょう。一方、プロは、会社を越えて、名前で知られている存在です。
僕自身は、お金をもらっている、つまり給与所得がある人は、全員プロだと思っていますし、プロであるべき、だと考えています。ここだけ捉えると、斎藤さんと言っている定義が違ってしまいますが、つまりは「素人」と呼ぶか、「プロ」と呼ぶかはさておき、自分に与えられた仕事を、しっかりやり切らないといけない、ということになります。
もちろん、人間がやることなので、ミスが起こり得ることだとは思っています。しかし、それを限りなく軽減するのが、プロの意識を持った人、ということになると思うのです。
僕自身、東京都墨田区に住んでいますが、その墨田区の先進的企業であった「岡野工業」という会社がありました。痛くない注射針で一躍有名になりましたが、リチウムイオン電池ケースなどでも有名です。
とある医療系の企業から、岡野工業に研修生として出向した社員が、岡野社長に尋ねたことは、
「不良品はどこに置けばいいんですか?」
というものでした。
その際の岡野社長の回答は、
「うちの会社には、不良品を出す社員がいないので、不良品置き場というものはない」
ということだったと聞きました。
製造のプロセスにおいて、当たり前とされてきた不良品は、うちの会社では出さない、と言い切る技術力のみならず、正確性、そこに向かう社員のみなさんの姿勢が素晴らしいですね。
不良品を出すと、コストと工数は一気に増えます。それが販売価格に転嫁できればいいですが、今の日本ではなかなかそうはいかない。だったら、不良品は出さない、という姿勢ですね。
僕たちは製造業ではありませんが、ミスをしない、ということが同じことなのだと思います。優秀、の定義とは、そういうことなのではないでしょうか。