在宅勤務でイノベーションは生まれるのか
僕自身、自宅で仕事ができる人は、それはそれでいいと思っています。そういう仕事もあるでしょうし。弊社は逆に、セキュリティの関係もあり、出勤しないと仕事が出来ない会社ですが、だから在宅勤務を否定するものではないと思っています。
一方で、電気自動車大手のテスラおよび宇宙ビジネスのSpace Xでは、オーナーのイーロン・マスク氏から、「出勤しなさい」という通達があったようです。
イーロン・マスク、テスラやSpaceX社員に「週40時間以上出勤せよ。さもなくばクビ」(Yahoo!ニュース)
アメリカでは、過去にYahoo!のCEOから、多くの社員が別の仕事をしているとして、出勤を命じたことがありましたね。
日本では、副業ならぬ、複業が多く求められるようになった今、だからこそ明確に成果を求められるのだと思います。もう、週何時間といった時間だけでは整理できなくなってきているわけですね。特に、在宅勤務だと、余計にそこを求められるのは当然でしょう。
こんな記事がありました。
「リモートワークはイノベーションにマイナスか?」(日経BizGate)
コンピューター・ソフトのアドビが昨年、日本とアメリカの労働者それぞれ約1000人を対象に行った調査では、在宅勤務に移行した後、アメリカでは生産性がそれまでと同等か上がったという回答が77%に達するのに対し、日本では「下がる」という回答(43%)が「上がる」という回答(21%)の2倍にのぼる。
日本では、もともと「膝を突き合わせて」なんて言葉があって、対面でササッと打ち合わせしちゃいましょう、という文化があるのは事実です。
ところでイノベーションには2種類ある。一つは製品のコンセプトや業界の構図を変えるほど大規模なイノベーションであり、もう一つは改善の延長もしくは積み重ねのような比較的小規模のイノベーションである。一般にイノベーションと呼ばれるのは前者であり、日本は後者が得意な半面、前者は苦手だといわれてきた。
ー中略ー
では日本企業も対面に戻せばよいかというと、コロナ禍がまん延する前からイノベーションが低調だったことを考えれば、それですむ話ではない。とくに日本の会社は共同体的な体質があり、同調圧力が強いだけに対面だとイノベーションの芽が育ちにくいという問題がある。
なるほど。我々日本人は、同調圧力に弱いとされていることから、あるいは協調性がある、という言い方もできますが、結果的にイノベーションは生まれにくい、ということなのでしょうか。
おそらくこれからは、リモートと対面とをミックスさせた「ハイブリッド型」の働き方が主流になってくるだろう。そのベストミックスは?
私自身の経験も踏まえていえば、かりに週5日働くとして、「2日出社、2日在宅、1日サードプレース」程度のバランスが、イノベーションを引き出すうえでも、またワークライフバランスや精神衛生を保つうえでもベストに近いのではなかろうか。
ちなみに以前から働く場所が本人の裁量に委ねられている海外の企業でも、これくらいの比率で働く人が多い。また同じく海外のベンチャー企業のなかには、開発のステージに応じてリモートと出社を組み合わせているところもある。
イノベーションは多様性のなかから生まれることを考えれば、仕事環境も意識的に多様化することが必要だろう。
これはあくまでも、同志社大学の太田教授のご意見ですが、在宅勤務100% or 出勤100%にこだわらないほうがいいのでは、ということでしょうね。
僕自身は、在宅勤務では仕事にならない人間なので、最低でもサードプレイスは必要だと感じています。みなさんは、いかがでしょうか。