仕事と作業は違うというお話
「仕事をしている」
そう思うのって、どんな時でしょうか。僕は、それを毎日、毎時感じるわけではありません。それは、作業だけのときもあるからです。
「仕事」と「作業」、何が違うのでしょうか。それを理解していない人は、いつまでも作業者でしかない、ということがあり得るわけですね。
「仕事」というのは目的を理解していることですよね。目的を理解しないままに実行するのは、ただの「作業」にしか過ぎないわけです。もちろん作業も必要なことですし、大事なことです。
ただ、作業ばかりでは足りません。仕事をすることが、ミスをしないということにもなり、顧客満足度という話にも繋がります。
分かりやすいところで、店舗で整理してみましょう。例えば、キッチン用品。包丁がほしい、鍋を買いたい。そういうときに、みなさんはどこに行くでしょうか。東急ハンズで買う方もいるでしょうし、百貨店に行くかもしれない。でも、台東区のかっぱ橋に行けば、もっと安く買えます。プロ用ですから、もっと幅広いかもしれない。
じゃあ、なぜ百貨店に行くのか、なぜ東急ハンズに行くのか。かっぱ橋が遠いとも限りませんし、そうではなく百貨店で買いたいという理由があるわけです。そこには、百貨店のバリューが存在するわけですね。百貨店のスタッフの方々は「仕事」をしているわけです。
百貨店で買うという自尊心だけでなく、接客、説明、一つひとつに心を込めて、その客が「ここで買ってよかった」と思うわけですね。
「どのような料理をお考えですか?」
「ガスですか?IHですか?」
「お住いは何名様ですか?」
「でしたら、このサイズのほうが」
「私も使っているんです」
「これが、女性の手でも持ちやすいです」
いろいろな情報を提供し、顧客満足度を向上させる。結果的に、「ここで買ってよかった」「ここに来てよかった」につながるわけですね。
これが「作業」しかしない店員さんだと、必要最小限の説明だけで、あとは客が買うかどうかをひたすら待つ。
これは、実はかっぱ橋でも同じです。プロ用専門店は、あまり説明してくれません。小売しません、というお店もありますから、そういうお店は僕らは入れません。しかし、小売りをしてくれるお店の中には、懇切丁寧に説明してくれ、中には実際のサイズ感を味あわせてくれるお店もあります。
我々ビジネスパーソンは、給与、報酬を受け取っている以上、全員がプロフェッショナルであるはずですが、意外とそうでもないのが現状。あなたは、仕事をしていますか?作業をしていますか?