茶道に見る客としての矜持
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茶道には、一座建立という言葉があるそうです。「いちざこんりゅう」と読むそうで。
裏千家のホームページによると、
お客さまを招く時には、できる限りのことをしてあげようと工夫します。 簡単なようで意外と難しく奥の深いことですが、これにより招いた者(亭主)と招かれた客の心が通い合い、 気持ちのよい状態が生まれます。 このことを「一座建立(いちざこんりゅう)」といい、茶道では、とても大切にします。
ということだそうです。つまり、招く側だけでなく、招かれた側、つまりは客側もしっかりと場を作る努力が必要、ということなのですね。
これは、飲食店で考えると分かりやすい。居酒屋で「おい!生ビール!!」なんて客は客じゃない、ということです。場を作るどころか、その言葉が耳に入った人全員の気分を害しますから。
先日、僕がよく行く居酒屋さんに、70歳前後の4人の客が入ってきて、こんな会話がありました。このお店は、焼き物がメインですが、他にもいろいろとメニューがあります。
客「すぐ出せるのは何があるの?」
店員「焼くもの以外は、すぐに出せますよ」
客「だから、それは何だっって聞いてんだよっ!」
この客は、目の前にあるメニューを見ようともしません。見れば、すぐに出せるメニューが数十種あることが分かるはずです。そして、そもそもそんな口の利き方をする下品な人のようです。
この人達のせいで、お店全体の雰囲気がとても悪くなりました。「品」もないので、当然「格」もない。ある意味で、可哀相な人達です。
反面教師という言葉がありますが、自分は場を壊す人間にならないようにしよう。改めてそう感じた今日この頃です。
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