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英語の原文を読まないままに、日本の報道で認識すると、判斷を誤る

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ここのところ、日本の報道の危うさを強く感じることが多いです。先日のサンデーモーニングの「現在はワクチン接種がすすんでいるせいで59人(同7月17日)と、この時よりも低くなっています」という、アナウンサーの発言には驚きました。この「せいで」の一言で、報道の本音がわかった、という意見が多いようですね。

さて、来日中のバッハIOC会長の発言が、いろいろと話題になっていますね。「Japanese People」を「Chinese People」と言い間違えたのは、単純なミス、、、でしょう。

それはともかく、Yahoo!個人にこんな記事がありました。

東京五輪にみる翻訳記事の危うさ

記事中では「国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は9日、今月23日に開幕する東京五輪において、首都圏で予定されている競技が無観客開催となったことを「残念に思う」と述べた。」と書かれている。

これに対して、日本では「緊急事態宣言が出る状況で、無観客になって『残念』とは何事だ!」といった反発がSNS上でも渦巻いた。

僕もこの記事を読んで驚いたので、原文を探したところ、この方のほうが先に探してくださっていました。原文は、ロイターにありました。

彼がビデオメッセージで話したのは、

"This was a really difficult one and we all regret the consequences for you the athletes but also for the spectators,"

という内容だったそうです。であれば、彼自身が残念に思っている、ということではないですよね。そしてこの文章はこう続きます。

"But it was a decision which was necessary to ensure a safe Olympic Games. I hope we all agree that the most important thing is that the Olympic Games are happening.

「オリンピックを実施するために、必要な判斷だった」ということなので、そのあたりを端折った記事だけ読んで、「けしからん」となるのは違うのかな、と。

バッハ会長の言動全てが良いとは思っていません。そうではなく、原文を読んで自分で判断することの必要性を感じた今日この頃です。

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