【読書感想文】新型コロナ、本当のところどれだけ問題なのか
米国CDCの多施設研究プロジェクトコーディネイター、厚生労働省医系技官、厚生労働省大臣官房などを歴任された、木村盛世先生の最新書を拝読しました。(書評なんて偉そうな書き方が苦手なので、読書感想文という稚拙な単語になってしまいました)
本書は、木村盛世先生の専門的な視点で書かれており、とても興味深く、また理解しやすい内容でした。木村盛世先生は、大阪ローカルの「正義のミカタ 教えてニュースライブ」という番組に、ほぼ毎週出演されており、歯に衣着せぬお話が、とてもわかり易くて気になっておりました。(とても、チャーミングな方でもあります)
『週刊新潮』2021年1月21日号によれば、尾身氏傘下病院の新型コロナ患者受け入れ数は極めて低いというのです。
専門家委員会長の尾身さんの言動は、100%報道されていないのでわかりづらく、僕的にはもっとデータで話してほしいと思っています。もしかすると、お話されているのかもしれませんが、報道ではお見けかけしないものですから。
問題はICU(集中治療室)の数の少なさにあります。2020年4月1日、日本集中治療医学会の西田修理事長の表明に見られたように、日本のICUの数は6500床で、ドイツの2・5万床、アメリカの10万床と比べても少ないのです。対10万人に直すと、ドイツは29~30、イタリアは8・6、対して日本は5です。加えて、日本では日ごろから高度医療や終末医療を要する患者数が多いため、新たな重症患者を収容するベッド数が限られているという問題があります。
ここらへんは、去年の夏頃に安定していた頃、そして冬には増えると言われていたのに、厚生労働省や日本医師会が動かなかったのでしょうか。
第4章 厚生労働省の日本医師会の大罪
厚労省における責任者不在の問題は大変深刻です。世界の多くの国々
では、保健医療を担当する政府組織には医師の資格をもった技官がおり、今回のような事象に関して、実質上の責任者として活動します。厚労省においては医系技官、すなわち保健医療のプロが、その任に当たります。また、「保健医療分野の重要施策を一元的に推進するための統括的役割」を担うものとして、事務次官級の医系技官ポストである医務技監が、2017年7月に設置されました。これは、新型コロナウイルスのような、健康危機管理に対応すべく作られたポストです。ところが、実際に今回のような事態が起こっても、ほっかむり状態なのです。官邸主導で対策が決定されたとはいえ、首相は保健医療のプロではありません。
この中で「首相は保健医療のプロではない」というところが、ものすごく腑に落ちました。いや、当たり前なんですが、専門的なことを首相に詰め寄る 外野 野党に違和感があったものですから。
そういや、日本医師会の中川俊男会長の病院って、コロナ患者を受け入れていないんでしたっけ?