「がんばらないで結果を出す働き方」を考える
「がんばらない働き方」という本を読みました。元Google人材育成統括部長のピョートル・フェリクス・グジバチさんが書いた本です。
日本では、頑張ることが善しとされていますが、昭和的な結果に繋がらない頑張りも、若干評価される傾向にありませんか。また、がんばらないでサクッと結果を出す人を評価しない、なんてこともないでしょうか。
上司「これ、間に合うのか?」
部下「がんばります」
上司「うん、がんばれよ」
こんな会話で終わらせてしまうと、思考停止になってしまう、というのがこの本に書かれていることです。たしかに、「がんばります」はプロセスであって、結果につながる言葉ではないですよね。
また、やったことがないこと、出来そうにないことを、コスト削減が目的で、強引に社内タスクにしてしまうのも、社員が疲弊する原因ですよね。出来ないと判断したのであれば、コスト削減よりもプロに任せるほうが、結果的にリーズナブルだと思うのです。少なくとも、まずは内製と外注の比較くらいはやるべきですね。
あと、この本で書かれているのは、「やることリスト」ではなく「やらないことリストの作成」です。プロジェクトマネジメント的に言うと、Out of Scopeですね。
ですが、この「やらないことリスト」って、実は結構大変なんです。「やらないこと」を決めるためには、全体図が頭に入っていないと作成できないんですね。
例えば、オフィスの引っ越しプロジェクトがあったとします。引っ越しって、荷物の移動だけではないですよね。移転先のネットワーク環境や電話(固定電話がある場合)の準備、配置図の作成、新規で購入するものリスト、現状の中で廃棄するものなど、梱包や移動以外にやるべきことが満載です。その中で、どれをやるのかと同時に、どれをやらないのか、を決める、ということです。例えば、何も廃棄しないとか、何も購入しない、というのも、「やらないことリスト」で決めるわけですね。そうやって、全体の工数を減らす、コストも減らすことで、自分たちの負荷も大幅に減らすことができる。
「頑張る」というのは、ある意味で当たり前であって、いちいち口にだす必要がない、ということが、全体を通して語られているように感じました。そうではなく、もっと論理的に考えよう、ということですね。