東京大学入学式の祝辞から考える、僕たちが知るべき日本の事実
先週行われた東京大学の入学式で、上野千鶴子先生が述べられた祝辞が、一部で話題になっているようです。
上野千鶴子先生はジェンダーの研究をなさっているので、日本における女性差別は特に気になっておられるようです。たしかに、東京大学でも、あの東京大学でも、男子学生と他学の女性学生しか入れない、歪なサークルが漫然と存在しているそうですしね。
僕個人的には、「変化と多様性に拓かれた大学」というところが気になりました。
あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
世の中、頑張らないでうまくいくことなんか、ほとんどありえない。だから、頑張るのは当たり前のことです。しかし、頑張ったから結果が出る、成果につながるとは限らない。でも、だからといって頑張らないのは違いますよね。
また一方で、世の中には「頑張れるのに頑張らない人」が存在します。働けるのに働かない。そして、我々の税金を使って生活をしている。こういうことも、知っておくべき日本の事実、現実だと思っています。もちろん、それを怒ったところで何も解決しない。解決するためにどうするのかを考えるのが、これからの僕たちに必要なことなんだろうと思った今日この頃です。