「ミーティングはない」が、いまどきベンチャーの解
僕がIT業界に、文字通り「転職」したのが、今から20年前。携帯電話は普及までは行っていなかったですし、iモードさえない。パソコンはデスクトップが一般的で、今のようにIT業界ではない会社は一人一台なんてない。会社によっては、島に一台程度だったり。
その次代にITベンチャー企業に転職した僕は、
「いつでも、どこでもミーティングが始まって、めっちゃベンチャーっぽい!」
と感動したものでした。誰かのデスクの周りで、突然ミーティングが始まる。わざわざ会議室に行かなくて、軽く数十分のミーティングで話がまとまって、サッと解散する。各自がデスクに戻って、黙々とパソコンに向かう。そんな雰囲気でした。
孫泰蔵さんの考えは、ある意味でぶっ飛んでいて、以前一緒に仕事をしていた頃も、誰よりも進んだ考えを持っていた方なので、この記事を丸々真似をすることは難しいですが、オフィスを要らないと考えるベンチャー企業は増えています。各自が家とか別々の場所で仕事をしていて、オンラインチャットなどで情報共有をして、あるいは意見を交換する。
僕はもともと電話好きだったのですが、最近は自分から電話をかけることが減りました。電話は、リアルタイムで人の時間を拘束するからなんですね。もちろん、今連絡しないと!というときはありますが、今でなくていいのなら、文字で連絡しておけばいい、と考えるようになりました。
同様に、ミーティングも、参加者全員の時間をリアルタイムで拘束します。中には、会議室でメールの返信など「内職」をする人がいますが、本末転倒ですよね。だったら、堂々と自席、あるいは自分がいたい場所で「本業」に勤しめばいい。大事なことは、リアルタイムで拘束されない場所でやればいい。
イシンでは、大抵のことはChatWork内の各チャットで済ませます。報告、連絡は特にそうですね。報告とか連絡のミーティングなんて存在しません。情報共有もそうです。情報共有専用のチャットで終わらせる。各自が、読んだ、という意味のサインを残せばいいようにしています。
このやり方をするようになって、ミーティングをする場合も、思いっきり時間短縮が出来るようになりました。以前は1時間単位だったミーティングも、5分、10分単位です。議論すべき内容を事前にチャットに上げておいて、参加者全員が事前に読んでいるので、各自の意見はすでに頭の中にできています。なので、それを言えばいい。ですから、その場で考えて意見を言うよりもずっと練り込まれています。考えて、考えてから意見を言うわけですから、その場で言われたことに意見を変えるよりもしっかり検討されている意見なのですね。
会社が大きくなると、ミーティングの参加者が増えてしまいがちです。15人とか20人のミーティングなんて、何を議論するのか、さっぱりわかりません。(笑)ミーティングはすべてコストがかかるもの。だったら、できるだけないほうがいいんですよね。そんなことを考えた今日この頃です。