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「オレはそんなことを言っていないおじさん」の根深い存在と、ポスト平成時代の組織のあり方

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なぜ日大は炎上したのか? 原因は「オレはそんなこと言っていないおじさん」の存在(ITmediaビジネスオンライン)

僕自身、スポーツ好きとして、今回のアメフトのパーソナルファール事件について、日々のニュースを注視しています。その中で、この記事には、大変注目しました。

とにかくやたらと偉そうですべてを知ったような顔をして、人に対してああだこうだと顎で指図をするわりに自分の言葉に責任を持たないおじさんのことである。だいたいこういう人は、「やってみろ」「挑戦を恐れるな」「責任はオレがとる」とやたらとカッコイイことを言って、とにかく自分の思うままに人を動かしたがる。

 それでいい結果がでれば「だろ?」と得意満面で自分の手柄。が、もしもそこで望むような結果が出なかったり、問題が発生して責任を問われたりすると、内田前監督のように速やかに前言撤回で、こんな見苦しい言い訳で頬かむりをしてしまう。

企業において考えると、例えば管理職が営業マンに対して「○○社(ライバル会社)を潰してこい」と言うことはあるかもしれません。で、ラフプレイ、ビジネスで言うところの「グレーな活動」を行なってしまった場合、そしてそれを何らかの場で指摘された際に、管理職として責任を持って対処できるかどうか。

「誠に申し訳ございません。私が指示したのであって、○○(部下)くんは指示に従っただけなんです」

このひと言を言えるかどうか、です。スポーツで言えば、レスリング協会のパワハラ、セクハラ問題も大きく取り上げられました。相撲協会の問題も長引き、まだ解決したのかどうかわかりません。

経済界も同様だ。日本を代表する企業、東芝では、経営陣が「チャレンジ」という美辞麗句のもとに、部下に粉飾をけしかけて大きな問題となった。追いつめられた現場が利益のかさ上げをしたことがバレて大問題になると、経営陣はこんな言い訳をしている。

 「オレは『がんばれ』と言っただけで、不正をやれとは言っていない

(中略)

ロッキード事件のときの大企業も分かりやすい。某大手商社の会長や専務の関与が疑われたところ、部下の総務課長と秘書課長が彼らのスケジュールを破棄。「証拠隠滅」で逮捕された2人は同僚たちから「組織人の鏡」「英雄」として褒め称えられた、と当時のマスコミが報道している。「上」に罪が問われぬように、「上」が口走ったことや、やってしまったことを「下」が全力でもみ消すのが、「世界に誇る日本のチームワーク」だった

 つまり、日本社会というのは伝統的に「オレはそんなこと言っていないおじさん」たちに優しい社会であり、日本型組織というのは、この手のおじさんたちが生き生きと過ごせるためのシステムだったと言っても過言ではないのだ。

この記事を読み進めていると、日本社会に嫌悪感を感じるでしょうし、今の中高生あたりが読んだら、「絶対社会人になりたくない」なんて思われてしまうかもしれません。余談ですが、先日のとあるテレビ番組で取り上げていた、サラリーマン川柳を見て、「ずっと高校生でいたい」と言っていた女子高生がいましたが、それ以上の問題だと思います。

しかし、一方で日本は着実に変わってきていると、期待を込めて思っています。昭和は、「それいけ!やれいけ!」という時代だったわけで、例えば個人情報保護法なんて2005年の実施まで存在せず、新橋あたりで普通に学校や町会名簿が売買されていました。区役所、市役所では、1件あたり10円とか高いところでも数十円払えば、誰でも住民票を閲覧してコピーを録ることができました。そんな国が、10年ちょっと経って、個人情報保護に躍起になっています。これも日本の成長かなと。

サラリーマンになるのが当たり前だった昭和に育った僕ですが、最近はIT業界のみならず、若い頃から独立する経営者が増えていて、30代で上場させて、なんて方が増えていて、頼もしく感じています。彼らが「オレはそんなことを言っていない」なんて言わないでしょう。きちんと自分の言葉で発信できる人たちがいることは、まだまだ日本も捨てたもんじゃない。そう感じています。

そして、僕たちおっさんは、部下の責任くらい取れる人間でありたい。「命まで取られるわけじゃない」そう言った、過去の僕の上司を思い出す今日この頃です。

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