40歳のあなたは、20年後に生き延びていられますか?
正月気分のまま1月を過ごした、なんて人は、少なくとも僕の周りにはいないと思っています。すでに2月。
僕が20代だった頃は、もっと時間がゆっくり進んでいた気がします。いや、バブルの時代を作っていた人たちは違うのかもしれませんが、少なくとも僕の周りは、気ぜわしい雰囲気を醸し出しつつも、昨日と同じことを繰り返していたような。
僕が大学を卒業した頃は、都市銀行(当時は、第一勧業銀行とか、東京銀行とか、三和、三井、三菱のような)に就職できた人間は、絶対的な勝ち組で、一生安泰という印象がありましたし、本人たちも安心していたと思います。当時は、誰が都市銀行が合併するとか、銀行名が無くなるとか考えていたことでしょう。
それが今では、「高給取りの銀行員は要らない」とまで言われていて、無くなるのはブルーカラーの仕事だと安穏としていた人たちは、慌てふためいているのか、あるいはゆでガエル状態なのか。
一方では、公務員として就職した気分だった郵便局員は、いつの間にか安定している(だろう)とはいえ、会社員になった。これも、ご本人たちにとっては、大きな地殻変動だったかと感じます。
最近では、外国人観光客、特に中国からの渡航客の「爆買い」に浮かれていた人たちの顧客は、「モノ」から「コト」へと興味が移っていき、以前の爆買いに期待して免税フロアを拡張した百貨店は、レイアウト変更に追われる状態。
もっと直近では、仮想通貨の暴騰に湧いていた芸人さんたちが、「貯金がなくなった」という投稿もあるくらいになっていたり。
中島みゆきさんの「時代」という楽曲の歌詞のように、時代は巡りに巡って、超スピード展開を遂げている中で、僕たちはどうあるべきか、どうやって生きていくべきか、果たして生き残れるのか、というところに来ている気がしています。
IT業界で言えば、投資家、投資企業たちは、目を血眼にして投資先を探していると聞きます。そしてそれは、一定の事業ではなく、どんどん移り変わる。イシンにも、創業時には「モバイル」というキーワードだけでアポイントを取ってくる大手投資企業がいました。しかも、次から次から。
フィンテック、AI、ディープラーニング、IoTなどなど、キーワードが移り変わるたびに、投資企業のターゲットが変わります。テクノロジーは一朝一夕で生まれないし、解決しないけれど、投資企業の動きは、まるでデイトレーダーのような。
そこで、自分はどう生き延びるのか。40歳くらいが、ある意味でボーダーラインではないかと思います。大学を卒業して20年近く経って、ある一定の実績は残してきたけれど、その仕事しかしていないので、他の仕事はわからないし、ましては他業界のことなど知らない。でも、家庭もあってまだまだ20年、30年と働かないといけない環境だけれど、下手をすると自社のビジネスがシュリンクしてきている。
そこを飛び出すのか、しがみつくのか、あるいは立て直すのか。東京オリンピック・パラリンピックが終わると、建設ラッシュも終わると言われていますし、もしかすると来年にも終わるかもしれません。当然、そこに付随するビジネスも、今ほどは盛り上がらなくなる。立ち上げ時に必要だった人材は、安定時には要らなくなる。
暗いことばかり考える必要はありませんが、しっかり足固めをする時代になってきている気がします。