起業の、形から入る必要性と、形から入ってはいけないポイント
僕がイシン株式会社を創業してから、まもなく10年目に入ろうとしています。まあ、起業って波乱万丈で、面白くて危なっかしいものです。小さな失敗は数多くしてきましたし、人の入れ替わりもありました。経営者の友人たちからも、たくさんのことを学ばせてもらいました。もし、今でも会社員だったら経験できなかったことが多く、いろいろな方に感謝しています。
僕自身、もともと形から入るタイプで、スポーツジムに通うと決めたら、新しいウェアとシューズを買いに行くような人間でして。
僕は会社員時代から、個人のお金には寛容(ルーズとも言うかも(汗))ですが、仕事のお金にはシビアです。なので、起業時には、なるべくコストダウンということで、「合同会社」を設立しました。設立もラクですし、費用も安いんですね。しかし、僕的には失敗。
まず、当時はメガバンクに口座を作るにも「これ(合同会社)は何ですか?」などと言われる始末。もちろん、先方の知識が足りないだけですが、作りたての会社としては、そういうことを言われる時点でよろしくないんですよね。一般消費者向けのサービスならともかく、法人向けのビジネスを考えている人間としては、お客様の信頼を得るために、株式会社にしようということで、一年目に組織変更を行ないました。
そして、オフィスをどこに持つか、というのもポイントになります。渋谷や新宿にオフィスを持つ友人から、オフィスのシェアを打診いただいたこともありましたが、墨田区に済む僕からは遠い。できるだけ東のほうがいいんですよね。
中には、「なんとしても千代田区」とか「港区がいい」なんて人もいますが、そこは形よりも利便性と可用性。前職のソフトバンクがもともとあった中央区はよく知っている地域でもあり、ランチなどもリーズナブルなので、そこに決めました。現在は、そのときからは移転していますが、エリア的には同じ地域です。都営浅草線、日比谷線、半蔵門線が徒歩3分以内、東西線が5分以内という地域なので、どこに行くにも、また来ていただくにも便利な場所なんですね。ここは、形から入らず、利便性を重視しました。
その昔、起業と同時に立派な社長室を作った人がいましたが、その会社は3年と持たずに無くなってしまいました。また、社長ブログなんてものを作っても、続かない社長も少なくありません。こういうのもWeb的にはかっこ悪くなってしまいますね。
形から入ること、形にこだわらないこと。正解はないので、模索し続けるしかないですね。