ITもセキュリティも、業務からの視点を持てないSIerは明日無くなる
ひどい釣りタイトルですみません。明日ではありません。来年くらい、です。
昨日は、「未来を味方にする技術」、「もしも社長がセキュリティ対策を聞いてきたら」。「この一冊で全部わかるクラウドの基本」の著者が集まって出版記念セミナーを開催されると伺ったので、お邪魔してきました。モデレーターはアスキーの大谷イビサさん。
今回一番おもしろかったのは、みなさん口を揃えて「技術の視点ではなく、ビジネス(業務)の視点で物事をとらえ、提案していく必要性」について言及されていたところです。
2000年代前半にITSSなるものが登場し、IT技術者を技術軸別、スキル別に整理し、評価することが求められました。が、今となってはまったく意味を成さない整理になってしまいました。スマートフォン全盛期の時代に、「ソフトウェア技術者」と「ネットワーク技術者」が分断して作業をすることは不可能ですよね。また、顧客の「業務」を理解しないで提案しても「なにそれ?」になりかねない。
僕自身、かなり以前から「理系と文系の交差点の役割が必要」と言い続けていましたが、エンジニアの中には「大木さんはプログラミングできないからでしょ」なんて言う人もいて、それはそれで事実なのだけど、そこじゃない、と考えていました。
Steve Jobs: Liberal Arts Essential for Innovation - THE DAILY RIFF - Be Smarter. About Education. via kwout
まったく同じ話ではないのですが、スティーブ・ジョブズ氏のこのお話に、ひどく感銘したことを覚えています。
「時代が来た」
僕の仕事は、B2Bという領域で、お客様の事業の発展に貢献すること。それを、如何にリーズナブルに、如何に素早く実装するか、を考え続けることが使命だと思っています。そしてそれは、ITだけでは解決できません。セキュリティも、ITだけではない。簡単な話、鍵のない部屋に重要な情報を入れたPCが置かれていて、そのPCは強固なセキュリティがかかっていたとしても、PCそのものを持っていかれるおそれがある、なんてことはITだけの領域ではないんですよね。
こういう単純なことを理解しないで、自社のメリットを滔々と語ることにはまったく意味のないことですね。昨日も「会社説明を20分も30分も続ける人がいる」というお話がありました。そういう人ばかりがいる会社は、早晩消えて無くなる気がしました。いや、まじで。
それ以外にも、とても役に立つお話があったのですが、それはぜひ本書をご覧いただくほうが良いと思います。僕も改めて読み直したいと思います。