オルタナティブ・ブログ > 「走れ!プロジェクトマネージャー!」 >

スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

「自分のことは自分で」が成立しない国、ニッポンを何とかしないと

»

成迫さんのブログ「世界で最もプライバシーを気にしているのに、世界で最もパスワードを変更しない日本人」が、ズドンと腹に落ちました。もちろん、プライバシーを気にしている度合いも、パスワードを変更しない時間も、本当に世界一かどうかは分かりません。しかし、いわゆる先進国と呼ばれる国の中では、おそらくどちらもナンバーワンじゃないでしょうかね。

お金を払うかどうか、というのもあります。例えばテレビ。基本的に地上波のテレビは、テレビという機会さえ持っていれば無料で見られるわけですが、そこに文句を付けて電話をする人って意外と多いんですよね。以前、とあるテレビ局のコールセンターのお仕事をしたことがあるのですが、驚くほどのクレーム電話が入ってきます。「このアナウンサーの言い方はおかしい」「あの意見は間違っている」といったものから、「女子アナの服装が変だ」という、イチャモンとも感じられるものまで、毎日いろいろと電話が入ってくるんですね。まあ、いわゆるクレーマーと呼ばれるような、「またあの人だ」という人もいますが。

僕の感覚からすると、お金を払っているわけでもないのに、なんでそこまで真剣にクレームを入れるモチベーションがあるのか、不思議に感じてしまうところです。

でもって、プライバシーというものをどこまで気にしているのかは、正直言って不確かなところだと思っています。だって、2005年に個人情報保護法(正確には、個人情報の保護に関する法律)が施行されるまでは、新橋辺りに名簿屋なる商売をするお店があって、日本中のありとあらゆる名簿が売買されていたわけです。生徒会名簿、町会名簿、卒業アルバムなど、本当に「ありとあらゆる」です。また、市役所や区役所に行けば、一件あたりいくらとかで住民票の閲覧が出来たわけですよ。安いところだと10円くらい。高いところでも数十円ほどで。電話セールスをする会社の中には、こういうところで情報を仕入れて、売り込むんですね。だから、「お嬢さんの成人式の着物」といった細かい情報で電話がかかってくる。当たり前ですよね。住民票だから、年齢、誕生日までわかっちゃうんですから。

ほんの10年ほど前まで、こんなことが普通に行なわれていた国で、ある日突然、「個人情報を守ろう」とか言っても、ついてこれない人がいても不思議じゃないですね。でもって、セキュリティという概念が薄い、ともすると持ち合わせていない人がいても当然な気がしています。

成迫さんのご指摘のように、会社から強制でもされない限り、パスワードを変更しない人は山ほどいます。あるいは、パスワードをオンラインパスワード管理ツールとかではなく、手元にある手帳に書き込んでいる人も大勢いますね。スタバで、その手帳を見ながら打ち込んでいる人を何度か見かけました。もう、何のためのパスワードか分からない。

「どげんかせんといかん」
僕は、これは我々IT業界の使命じゃないかと思っています。どげんかせんといかんのですよね。で、我々がコツコツとお客様などに説いていくしかないように思います。政府とか、大企業に任せっぱなしにしていても、2016年になってこの状況です。放置していたら、おそらく10年後も同じ問題を抱えているでしょうね。「自分のことは自分で」を徹底できるよう、僕自身も努力していきたいと考えている今日この頃です。

Comment(0)