働く怖さと働かない怖さ
昨日、サイボウズ式のイベント「【4月28日(火)開催】障がい×起業・雇用──「寝たきり社長」佐藤仙務さんと「働く」を考える」に参加させていただきました。
イシン株式会社は、出来る限りの時短を試みており、僕自身もオフィスに長くいることを良しと考えていません。社員も、基本的に残業ゼロ。もちろんやむを得ないことはありますが、時間で評価をするという文化はありません。
一方で障がい者雇用は、まだ実施できていないのですが、ずっと頭の片隅にある課題です。企業は、社員が50人を超える場合は2%、50人に一人の障がい者を雇用する義務があります。それが出来ていない会社は、障がい者雇用納付金を支払う義務があります。イシンはその対象にはならない程度の社員数ですが、しかしずっと気になっている課題なのです。
佐藤仙務さんのことは、「寝たきりだけど社長やってます 」を読んでいただくのが一番早いと思いますが、このイベントの中で、参加された、佐藤さんと同じ脊髄性筋萎縮症の方からの質問と回答が印象的でした。
参加者:「私は、働いてみたいという気持ちがある一方で、働いて失敗することが怖いのですが」
佐藤さん:「私は、働かないことのほうが怖い」
ミスをしたらどうしよう、ミスをするのが怖い、という気持ちは、僕自身も常々持っています。ただ、ここで話されたのは、おそらく「障がい者だから」という許され方、あるいは「障がい者だからミスをした」と言われる怖さを指しているように感じました。しかし、佐藤さんはその先を考えた回答をされたと認識しています。
他にも、アルバイトで週に3-4時間程度しか働けない方を雇用した経緯も「雇ってから考えようと思った」という、異常なほどの前向きな考えに、僕自身はハンマーで殴られた気分。普段、他のことは結構無茶をする僕ですが、障がい者雇用に関しては、「雇用」という責任感がゆえに、あまりに重く考えすぎていた気もしました。障がい者だから特別に考えるというのは、かえって失礼だという話もありました。その通りですよね。
イシンは小さなベンチャーですから、障がいの内容、度合いによっては難しい仕事もありますが、今後の人材確保の際には、きちんと視野にいれていきたい課題でした。サイボウズのみなさま、とてもいい機会をありがとうございました。