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スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

クラウドソーシングの「陽」と「陰」

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ここ2、3年、クラウドソーシングが盛り上がっているようです。日本でも上場するクラウドソーシング企業も出てきましたし、海外でも様々なスキルを持ち合わせた人がクラウドソーシングサイトに登録し、儲かる人は儲かっているようですね。かなり注目されているという意味で「陽」です。

僕自身も、2年位前にお試しで、あるデザインを依頼し、とてもお安く仕上げていただきました。この「お安く」が、クラウドソーシングに登録している人たちにとっての「陰」。

「こういうものを◯◯円で作れる人!」と募集をすると、その価格によっていろいろな提案が上がってきます。2、3万円出せば、すぐに20から30くらいの提案が上がってきます。その中から気に入ったものを選ぶ。仮に会社やサービスのロゴであればそれでいいのですが、もう少し複雑な提案になると、提案する側にとっては採用されるまでお金にならないけれど制作や作業をすることになります。

過去に聞いた話では、提案を募っておいて、途中で「いい提案がないのでやめました」ということになり、今度はその提案の中身を発注する、というひどい発注者もいるそうです。こういうことをされてしまっては、クラウドソーシングに登録している人たちが疲弊してしまいますね。

そんな中で、業務を特化しているクラウドソーシングは、そういう問題が少なそうに感じています。例えば、起業時にどういう書類を揃えばいいのか分からない、という税理士や司法書士に相談したいというニーズを的確にとらえた「バイザー」は有名どころですね。僕が創業時にあってほしかったサービスです。もちろん起業時のみならず、「ちょっと困ったけど、司法書士や弁護士を契約するほどの予算もないし、頻繁に必要なわけでもない」といった場合にも便利なサービスです。

しかし、これは特殊なスキルを持った人たちだから出来るサービスだよなあ、なんて思っていたら、事務のアウトソーシングというものがありました。「キャスター」というサービスです。いわゆる、秘書とか、アシスタントといったお仕事をオンラインでお願いできるサービスですね。これはいい。こういう「作業」に時間をとられて困っている経営者やベンチャー企業の方は多そうですし。

クラウドソーシングは「安い」と「便利」のバランスだと感じています。「安い」だけでクラウドソーシングに依頼する、というのでは、先に書いたようなよろしくない発注者のたまり場になってしまうでしょうし。クラウドサービスの「クラウド」とは意味が違いますが、オンラインでサービスを提供しているという意味では、両方の「クラウド(Cloud & Crowd)」の要素を持っているのですよね。

新しい働き方を創造する場として、ぜひ応援していきたい取り組みなので、あえて気になっていたことを書き出してみました。

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