SIerとクラウドとiPadの関係性
昨日は、友人の成迫さんが主催するCLUSTERというイベントで講演させていただきました。年齢問わず、IT関連事業で起業された方々が多く、とても触発される場でした。
そこで僕は、前々から懸念に考えているSIerのビジネスモデルに言及させていただいたのですが、昨日言わなかったことを書いておこうと思います。
SIerのビジネスモデルは、受託開発と業務委託という名のエンジニア派遣が主たるものだと思います。後者はちょっと置いておいて、前者の売上の根拠は「工数」で算出されます。例えば、このエンジニアが働くと月額80万円ほしい。そう考えると、彼が一日働いたら、月の可動が20日間だとして一日あたり4万円、一日8時間労働で一時間当たりの単価が5,000円になります。で、仮に彼一人で開発したとして400時間かかる仕事を請け負うとすると、見積書は200万円、とまあこうなります。バッファーをどう見るかとかは別として、単純計算でそうなるのですね。
しかしこれでは、彼の単価はそこから上がらない。あるいは、ものすごくスキルが上がって400時間の仕事を200時間で終えたとしたら、もらえる金額は半分になってしまう。本来は、半分の時間で終えたのだから、最低でも元の200万、出来ることなら早く終えることが出来るのだから、もっと高めの見積書を出したいはず。しかし、人月基準で商売をしていると絶対そうならない。
クラウドベンダーが増えてきて、顧客企業はどんどんクラウドサービスに移行し、開発を必要とするシステムを好まない。PCではなくタブレットで利用できるクラウドサービスで十分。もう開発はいいですよ、となりつつある中で、今後のSIerのバリューはどこに見出すのか、ということを真剣に考えるフェーズに来ている気がしました。