オルタナティブ・ブログ > 「走れ!プロジェクトマネージャー!」 >

スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

攻められない情報システム部門が責められる理由

»

昨日は、iOS Enterprise & Developer Conference 2013に参加させていただき、いろいろなお話を伺ってきました。僕は、基調講演からずっとビジネストラックで拝聴しており、その中で野村證券の藤井さん、三城ホールディングス(メガネの三城)の河村さんのお話を伺っていて、改めて情報システム部門について考える機会になりました。
 
僕が以前、夏サミ(デブサミの夏バージョン)で公演した際にもお話ししたのですが、多くの企業での情報システム部門が、新しい取り組みの阻害要因になっている、という事実です。営業部門、マーケティング部門、製造部門、販売部門など、スマートデバイスを活用して業務に役立てたい、売り上げに貢献したい、と考えている部署の方々が口を揃えておっしゃる言葉。「情シスめんどくせー」なんですよね。
 
本来、情報システム部門はITのエキスパートであり、導入から保守、運用まで一貫して実行する部門であるはずなのですが、ホストコンピュータの時代、そしてクラサバ(クライアントサーバー型コンピューティング)の時代を経て、そこにERPのみならず、SFAだの、CRMだのとどんどん増えていき、個人情報保護という概念が増えてからはセキュリティを強化するのも情報システム部門の仕事であり、といった具合に、どんどん情報システム部門の仕事が増えてきました。そして「止まらない」が命題となり、「守る」が本業になってきているのですね。だから、攻める時間と余裕がない。
 
一方で、これだけクラウドの時代になってきていると、社内にサーバを持つとか、データセンターに専用サーバを持つ意味が薄れてきている企業も多いのですね。弊社のお客様でも、半分以上がクラウドになっている企業も多くいらっしゃいます。それは、新しく出来た企業とか、人数が少ない、ということではなく、明確な「割り切り」が出来ているのだと思います。そして、そういう企業の中には「情報システム部門の人件費削減」とはっきり仰有っているところもあったり。
 
大事なことは、「ITを使ってうちの会社を良くする」という姿勢なのかも知れません。お二人のお話からも、iPadが主目的ではなく(当たり前ですね)、iPadなどを使って自社を良くしたい、という強いお気持ちが聞き取れました。そのためにどうするか、ですね。
 
社内で「めんどくせー」と言われないためにも、あるいは顧客から「めんどくせー」と言われるSIerにならないためにも、攻めるIT担当であるべきなのでしょうね。

Comment(0)