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スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

経営は這いずり回って不恰好なもの、格好いい結果だけ書いている経営本を見て盛り上がっている起業家にオススメしたい一冊

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週末は天気が悪かったですが、今日は気持ちよさそうですね。気温は29度になるとか。あと2週間で今年の前半が終わりです。今年の目標の半分は達成したでしょうか。僕は何とかクリアしているので、ストレッチして後半の目標を上げていこうと考えている次第。

昨日のブログでご紹介した「不格好経営―チームDeNAの挑戦 」ですが、面白すぎて昨日一日で読み終えてしまいました。南場智子さんの文章は、以前ブログで拝読していて、独特のスパっとした言い回しが好きでしたが、十二分に堪能させていただきました。
 
本書では、DeNAという会社を立ち上げる前から、そして立ち上げ時に考えたこと、やってみて失敗したこと、一難去ってまた一難の繰り返しを、惜しげも無く書いてくださっています。一般的にビジネス書って、良かったところばかり書いていますよね。あるいは、ドラッカー書の書き写しのようなものとか。
 
以前ご紹介した、ゲームクリエイターの斎藤由多加さんの「社長業のオキテ 」という本の中で、社長業という仕事について、

社長という職業、社会的な響きはいいかもしれないが、一言でいうならば体のいい雑用だ。実はかつて僕は日経BP社さんから、ベンチャー・オブ・ザ・イヤー若手経営者部門賞というたいそうな賞をいただいたことがある。ゲーム内のあちこちに広告スペースを作って入れたことが評価されたが、そんなことも資金繰りの必要に迫られてやったことにすぎない。そもそも中小のゲーム会社の社長なんてのは、コンビニ弁当を主食とし、会社のソファをねぐらにすることを運命づけられた職種である。さらに言えば、育ったと思った人材はとっとと辞めていってしまう業界なもんだから、社員に給料を払いながら社会適応の授業をしているような割の悪さがある。

ということを書かれています。斎藤由多加が特別?そうでしょうか。決してカッコいい仕事ではないのですよね。社長業というのは、南場さんが本書の中で何度も書かれている、決断が仕事ということは、斎藤さんも書かれています。決断できるとも言えますが、決断しなくてはならない。事業の決断とか、資本金注入の決断なんて大きな話ばかりではなく、小さい頃はそれこそ文具の購入から、交際費の利用についてなど、細かいこと全てを「決断」しなくてはなりません。

南場さんは、本書の中でも「諦めの悪さ」を告白されています。決まったことなのに、自分の言い分が負けた時には、そのプロジェクトを任された社員とすれ違う度に悪態をついたり(笑)と、いろいろとあがいている自分を書かれています。でも、創業者ってそういうものだと思うのです。なかなか諦められない。でも、ある日突然に決断を迫られる。

本書の中で、南場さんは何度もコンサルタントと経営者の違いを書かれています。決断を迫るのはコンサルタントであるが、決断するのは経営者。全然違うのだ、と。

僕たちは、机上で理論だけを振り回していても何も産まれません。それこそ、不恰好と言われようと、なんと言われても、やり遂げること、結果を出すことで存在意義がある。やり遂げない、あるいは言われたことだけをやるのであれば、僕でなくても、そして当社でなくてもいい。そういう針のむしろのようなところにいるのだと思うのです。

今年になっていろいろと本を読みましたが、今年一番の本です。絶対オススメ。あ、でも、南場さんの書き口調が好きになれるかどうかは、人によるかも知れませんね。本書は、どこかのタイミングで、もう一度読みたいと思う本です。

余談ですが、電子書籍にしてくれるといいですよね。マーカーも心置きなく引けますし。(笑)

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