ブログ論争を拝読して感じたノマドの違和感
吉政さんが「起業時にオフィスを持つか」ということを書いておられて、「起業時の負担」に触れておられることには非常にうなずけるものがあり。しかし、一方でオフィスを持たないことに賛成するかと言われると、それは事業内容と規模によるものであり、また顧客にもよるので、いろいろな意見があるところだと思います。
僕からするとさっきのやまもとさんとかコグレさんみたいな、要は本業がありつつ情報発信を楽しく自分のためにやってたら、結果的にプロフェッショナルとしてやれるようになれましたっていうのがプロブロガーだと思ってるんですけど、イケダさんの場合にはそこをショートカットして、お金をいくら稼ぐのがプロブロガーです、150万で生きていけるから私はプロブロガーですって言われると、正直ムカつくわけですよ。
僕はイケダハヤトさんのブログを読んでいないので知らなかったのですが、年収150万のプロブロガーと言われると、正直僕も違和感を感じます。これはブロガーでも他の職種でも同じですが、「僕はこれで暮らせるから、みんなこうなろうよ」というのは全然違うお話。
僕の著書「社員が出社しなくても仕事が止まらない会社のつくりかた
」にも「ノマド」という言葉を使っているのですが、この「ノマド」は、佐々木俊尚さんが書かれた「仕事するのにオフィスはいらない
」で「ノマドワーキングスタイル」という話をされていたのがベースになっています。つまり、働き方の話であって、業種や職種のことではないのですね。なのに、いつの間にか「ノマド」は「フリーランス」とか、「個人事業主」みたいな話になっている。ここに違和感を感じてしまいます。
情報発信についても感じるところなのですが、みんなで情報発信にしようよ、ということには無理があります。そもそもそういうことが不得意な人がいるわけですし、情報発信しても誰にも見られないようでは、本人もモチベーションが上がらないでしょう。世の中にはいろいろな機能があるから成立するわけで、日本人全員が情報発信する、なんて起こり得ないし、そんな情報が飛び交っても取捨するのに苦労するので勘弁してほしいところです。まあ、そうなったら、情報を取捨して捨てるサービスとか出てくるのかも知れませんが。
フリーランスで、どうでもいい記事を書いて食っている、なんて話もありますが、多くは他にも仕事を持っているもの。書いているだけで生活していられる人はごく僅かです。作家さんもそうですけど。
あれこれ感じる機会がありましたが、イベントに参加していないことを少し悔やんだり。(笑)ブログ論争なんておもしろい企画を運営された徳力さん、そしてそこで自分の声で、自分の言葉で発言されたやまもといちろうさん、イケダハヤトさんに感謝したいと思います。コグレさんの対談は、ぜひ聞かせていただこうと思います。