いま改めて、ドラッカーのネクスト・ソサエティを考えてみよう
過去にもご紹介をしたことがありますが、P.F.ドラッカーのネクスト・ソサエティ を、今一度振り返ってみたいと思いました。というのは、この記事および関連記事を読んだからです。
被災企業、内定取り消し相次ぐ=従業員からも相談急増-東北3県(時事通信)
地震による内定取り消しは、実は東北だけではないと聞きました。関東でも、東北をビジネスの本拠地としていた企業もありますし、関東でも地震の影響の大きい地域もあります。内定取り消しをしないほうが良いけれど、せざるを得ない現状も分かる気がします。むずかしい問題です。
さて、ドラッカーのネクスト・ソサエティでは、雇用形態の多様化について書かれています。終身雇用を中心としてきた日本では、この本が出版された2002年当時には馴染まなかったかも知れませんが、今こそ考えるべき時期なのかも知れません。これは個人も考えるべきですが、企業側も、兼務を認めるなどの措置が必要になります。そのためには、兼務を認めるルールを策定する必要がありますね。
正社員だけにこだわらず、契約形態の多様化、そして日本ではまだまだ少ないですが、独立をする人ももっと増えるのかも知れません。無闇に独立することは薦めませんが。
また、本書の中では「情報技術が重大な影響をもたらす」とも書かれています。過去には、知識を伝達するには時間がかかっていたものが、新しい技術を活用することで、瞬時に人手に渡っていく、というものです。
ここで書かれている情報技術は、僕はあえてITではなく、情報技術という「情報」と「技術」がセットになったものだと考えています。情報だけではだめだし、技術だけでもない。IT業界には、技術だけを考える人が多いのですが、情報とセットであることで意味をなす、ということだと思うのです。ですから本書には、コンピュータリテラシーの時代から、情報リテラシーの時代になる、ということも書かれています。
情報を集め、情報を捨て(取捨選択)、情報を加工し、技術を使って多くの人に渡していく。受け取った人は、その情報をどのように活かすか、ということを考え、実践していく。
昨年はドラッカーがブームになりましたが、今年はそれを実践していく時代なのかも知れない、と感じている今日この頃です。