判断が遅い企業は置いていかれてしまう
日経ビジネスの2/8号(来週)の後ろの方、106ページに「直言極言」というコーナーがあり、今回は建築家の安藤忠雄さんが「JAL経営破綻」について書いておられます。
安藤さんは、リーマンショック以降、活躍の舞台をアジアに移しているそうです。その中で、北京でホテル、上海でオペラハウスと美術館、ソウルや台湾でも仕事の話が進んでいるそうです。
そこで常に驚かされるのは、物事が決まるスピードの速さだ。アジア諸国がある意味で近代化していないことの裏返しかもしれないが、リーダーの即断即決で何でも決まってしまう。
日本の企業は、企業規模問わず鈍化してきているように感じています。それは、ある会社は社長の独走で走ってきたけれど、ここに来てその自信が揺らいできているケースもありますし、社長が代替わりする時期に来ている会社もあります。
また、トップダウンからマネジメントアップの時代に来ていると考える経営者もいますし、サーバンドリーダーシップという言葉も良く耳にします。
それはそうとして、スピード感に欠けると感じる部分をどう解消していくか。
「自社に戻って相談します」
こんなことを言っている間に、他に掻っさらわれてしまうなどということも現実に起きていますよね。サラリーマン社長ならやむを得ないことでも、創業者はそうではいけないように思います。
アジア諸国から依頼があると、数日後には直接面談して会議が始まり、2ヶ月程度で基本設計が出来上がる。設計は4ヶ月程度で済ませ、半年後には着工するのが普通だ。
これが日本なら、基本計画を立ち上げるだけで半年かかり、設計が終わるのはさらに1年以上後だ。
責任者が分散して、誰も物事を決断できないから、会議だけが続く。
安藤さんは、日本航空だけではなく、日本企業全体に警鐘を鳴らされているように書かれています。「スピード感を取り戻せ」ということです。
これからは景気と関係なく、「どうしましょう?」などと会議ばかり重ねている企業は置いていかれてしまうのではないか、と感じます。自社もそうならないよう、スピード感を忘れないようにしたいものです。