マーケティングは重要、でもどうやって身につければいいか
「昔は、マーケティングといえば営業と明確な切り分けがなかったり、マーケティング部門の人はなんか偉そうにしているくらいのイメージしかなかった。」
先日、知り合いからこういう話を聴きました。ある一定の規模になると、マーケティング部門や専任者が存在していますが、中には何をするのがマーケティングの仕事なのか分かっていない人もいるようです。リサーチすればマーケティングの仕事のように思っている人も?リサーチは、マーケティングの業務の一部ではありますが。
昨日、八重洲ブックセンターで永井さんの「朝のカフェで鍛える 実践的マーケティング力」を見つけて、ランチタイムに一気に読みました。おもしろい!知り合いの本だから、というお世辞は抜きにしておもしろいです。
ストーリー形式になってはいるものの、マーケティングはツールから入るのではなく、概念を理解することが重要だということ。顧客の言っていることを鵜呑みにするのではなく、本当の課題を見つけ、本当に顧客の役に立つことを考えること。市場は自社製品ありきで考えてはいけないことなど、大事なことが網羅されています。
私は、「ファシリテーターの道具箱(共著)」および「ソフトバンク流『超』速断の仕事術」にも書いたのですが、ツールから入っては失敗すると思います。特にマーケティングの場合は、いろいろな分析ツールがあるため、それを憶えることで「自分はマーケティングを理解した」と勘違いしてしまう人がいるようです。そうではなく、マクロ的にとらえること、市場を狭く考えないことが重要だと思います。
私は、(シンプルに言うと)マーケティング担当の仕事はお客さんを営業担当の鼻先に連れてくること、だと考えています。リサーチしたり、市場を考えたりしているのはプロセスであって、お客さんを連れてくるまでは終わってない、ということだと思うんです。もちろん、お客さんだと思っていたけど違っていた、というのもダメですしね。(苦笑
複雑なこと、難しいことを分かりやすく表現できている本だと感心しました。ストーリー仕立ての本は、保田隆明さんの「投資銀行青春白書」以来におもしろいと感じた次第です。