小手先に逃げない
今朝の日経新聞のスポーツ欄に、「選球眼」というものがありました。編集委員の島田健さんが書かれていたのは、北京オリンピック時の選手たちが審判に対するマナーが悪かったこと。そして、日本では普通になっている、捕手が捕球後にミットを動かす行為。
日本で、ミットを動かした場合でもストライクと判定されるのは「コースがストライクだから」と審判は口をそろえる。
審判技術がしっかりしているから、正確な判定ができるのであって、そんな「技術」は何の役にも立っていないそうだ。
ここではあえて括弧書きで「技術」と書かれていますが、島田さんが言いたいのは「小手先」という意味であるようです。
メジャーリーグが日本で放映されるようになって、野球とベースボールの違いを議論されることが多くなりました。ただこれは、野球の技術云々ではなく、ビジネスモデルとしての議論です。日本で1億の選手が数億になれる。これを支えるビジネスモデルとしての議論だったと認識しています。
日本の選手は、審判云々という問題はあれど、2006年のWBCで快勝し、2008年の北京オリンピックではその力を発揮できませんでした。
今回のWBCもボールの違いを取り上げる報道もあるようですが、北京オリンピックの韓国の選手たちのような心意気があれば、きっと良い成果を残せるのだろうと考えています。「日本では普通だから」という狭い概念にとらわれず、ぜひ広い視野で活躍してほしいものです。
これを我々ビジネスマンに置き換えると、どういう話になるのでしょうか。ビジネスの世界には、山と言うほどの「小手先」が存在しているように感じます。山本五十六元帥の言葉に、「やってみて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は育たぬ」というものがあるそうですが、それを実行しているマネージャー職は少ないように感じます。
また、中間管理職が悪い、会社のせいだ、と愚痴る「サラリーマン」の存在も、今でも減らないように思います。
上記の野球の「審判のせいにしない」「小手先に逃げない」は、我々で言うと「上司(会社)のせいにしない」「小手先に逃げたり、部下に押しつけない」ということになるのかな、と。
「プロフェッショナル」という言葉をよく耳にするのは、それだけプロフェッショナルと思える人が少ない裏返しであるような気がします。
不況の煽りもあるとは思いますが、改めて「自分は何なのか」を考えなくてはいけないな、なんて思う今日この頃です。