オルタナティブ・ブログ > 「走れ!プロジェクトマネージャー!」 >

スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

好きなモノを作る vs 売れるモノを作る

»

 最近、スティーブ・ジョブズの流儀という本を読みました。ユーザーのニーズをとことん考えるという視点は、すごい、という言葉でしか表現できないのが残念。
 一方で、10月27日に放映されたNHKスペシャル、日本アニメ vs ハリウッドという番組を録っていたのをようやく見ました。これも面白かった。
 両者に共通するのは、売れるという視点です。日本アニメも、ハリウッドも。日本で売れたアニメを、アメリカで売れるためにはどうすべきか。鉄腕アトムの顔を変えることについて、日本のプロダクションと侃々諤々、議論を繰り返していきます。それも、売れるためという視点ならでは。
 我々は、ともするとクリエイターやプロデューサーという人たちは好きなモノを作る人たち、というように感じているところがあるかと思うんですが、そうではないんですよね。
 佐藤可士和さんも、佐藤可士和の超整理術という本の中で、「自分の仕事はクライアントの頭の中を整理すること」と明言されています。ジブリ作品の音楽を担当されている久石譲さんも、感動をつくれますか?という新書の中で「宮崎監督のニーズを汲み取る」という話をされていました。やっぱ、そういうことなんですね。
 だいぶ前に読んだ、小室哲哉さんの本(タイトル忘れた)でも、「浜田さん(ダウンタウン)の曲を書いたとき、書く前から売れる自信があった」という話があり、小室さんは好きなモノを好きなように作っていると思っていた僕は、とても驚いたのを覚えています。

 モノ作りに限らず、ともするとニーズだと勝手に決めつけていたりすることってあるような気がします。本当のニーズを考えきれずに。定額給付金、高速道路を1,000円で走り放題(しかし、東京圏、大阪圏はダメって)、どんなことよりも解散総選挙を最優先としてやりたい議員さんたち、いろいろと我々のニーズを無視したようなことが多いなぁ、最近。
 博報堂の小沢正光さんは、ご自身の著書「プロフェッショナルアイディア。」の中で、「プロのアイデアは思いつきではない」と断言されています。その通りだと思います。
 今回ご紹介した本を、並べておきます。

Comment(0)