そろそろ平均は要らないんじゃないか
人材紹介(転職支援)のインテリジェンスさんが、DODA 職種別平均年収ランキング2008を発表されています。ちなみにITのプロジェクトマネージャー職を見てみると、こんな感じです。
これが高いか安いかを論じる前に、そろそろ平均値をとる必要はなくなってきたんじゃないか、と感じるんですよね。
僕が社会人になった1982年頃は、定年まで同じ会社に勤める人がほとんどで、30歳で会社を辞めた僕などは珍しい存在でした。
ところが90年代に入ってバブルがはじけて、今の会社に居続けることに不安を感じる人が増え、転職が一気に流行り出しました。まさにブームのように感じたのを覚えています。
たまに前の会社の人間と顔を合わせると、給料の話。独立した人も、いくら稼げるようになったとか、なんか殺伐とした会話が多かったように思います。
で、2000年もほぼ丸8年過ぎた現在、新卒は3年以内で辞める人がいるのを誰も驚かず、むしろ転職は当たり前で、会社によっては毎月のように歓迎会と送別会があり。。。
と、ITmediaエンタープライズに、こんな記事が出ていました。
この最後のほうに、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の夏野剛特別招聘教授が仰っておられることが、しっくりきました。
「こうした世代は、同じ会社に勤め続けるといった考えは持っていない。(考えの)平均が存在しない混沌とした中で、それをありのままに受け入れて楽しくやっている」と夏野氏は述べ、自分たちがこれまでの常識を超えていく必要があるという見方を示した。
考え、すなわち概念とか、人生観の平均が無くなっている中で、収入などの数字だけ平均を取ろうとしても無理があるように感じます。
その昔、総合職と一般職という言葉で分かれていた時代、一般職になるのは女性だけだったと思いますが、一般職が復活しつつある現代は、男性の一般職希望者も少なくないそうです。
出世や収入に重きを置かず、むしろ趣味やボランティアなど、自分で自由の利く時間を持つことに喜びを覚える方々を、同じ枠の中で平均をとっても意味を成さないですね。
ときどき「中国の平均収入っていくらですか?」と聞かれることがあるのですが、答えようがありません。こういうときはいつも「僕の知り合いが、今年○○大学を卒業して、○○(業界)の会社に入ったのですが、彼の初任給が・・・」といった答え方をしています。
ちょっと長くなってしまいましたが、連休のさなかに感じたことです。