若い人が育つ場面に付き合うべし。
先日病院に行ったら、担当医師の奥の方にちょこんと座る若き男性。たぶん、研修医なのでしょう。メモ片手にお行儀よく座っていました。
「勉強しとるな」と微笑ましく思っておりました。 こうやって現場の医師と患者の会話から学ぶこともたくさんあるのでしょうね。
そういえば、以前、銀行の窓口でちょっと込み入ったやり取りをしていたら、やはり、窓口の女性のすぐ後ろに若き男性が張り付くように座っていて、その時は思わず、「OJT中ですか?」と尋ねてしまったところ、「ええ、そうです。話を聴かせてください」と言われ、「どうぞどうぞ」と。
私は日頃、企業のOJT支援をしているので、こういう場面を見ると、「人が育っておるのぉ」と嬉しくなってしまうのです。
クリーニング屋さんでの出来事。
通常のクリーニングではないようなものを預けた際、「出来上がり次第お電話しますね」と口頭で言われました。さらに、そのアルバイトの高校生(たぶん)が引き換え証に、
「出来上がり次第、電話させてもらいます」
と赤ペンで書いたところ、脇からベテランの女性がその紙を奪い、「もらいます」に取り消し線を引いて、「させていただきます」と書き直しました。そして私のほうに向いて一言。「こういうの、その場で指導しないといけないものですから、失礼しました」と言いました。あ、いいな。こういうシーンも。
私としては「させてもらいます」でも「させていただきます」でもよくて、本来なら「電話いたします」が一番いいんじゃないかとも思ったのですが、それでも、その場その場で誰かが教えていくシーンは、いいものです。
いきつけの美容院で、先日、新しい美容師さんが担当してくれました。彼女はこの1年かそれ以上か、どちらかというと下働き担当で、シャンプーしたり、床掃除したり、ブローはするけど、カットはさせてもらえていませんでした。が、今回、私の頭を最初から最後まで担当してくれ、「あ、昇格したんだな」と思ってました。
手際も悪くなくて、思った通りの状態に仕上がって、「デビューしたばかりだけど、いいね」と心で思っていたのですが、最後の最後。
前髪がもう少し切って欲しい、と伝えたところ、「こういう感じですか?」と横にまっすぐすぱーっと切ったのです。
「うわっ、それじゃワカメちゃんだよ」
と思い、「もう少し、ギザギザにしてください」と言うと、「こうかな?」と微調整を。それでも最初に眉毛の上で短く切っちゃったので、ギザギザに直すにも限界が・・。
「その程度でいいですよ」とあるところで妥協して、カットは終了。
・・・デビューしたばかりだからねぇ、いいよ、いいよ。うん。
これからもっと腕を磨いておくれ。
そんなわけで、私の前髪は、この3週間ほど、ずーっと「ぱっつん!」です。
若い人の成長には、プロセスがあって、それに付き合ってあげる人は必要なんですよね。