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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「若い人に付き合ってもらえる人になる」という発想

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10年くらい前の話。 

大企業で管理職をなさっていた方が55歳くらいで退職、独立起業なさいました。「これまでの経験を生かして、自分の手で仕事をしてみたい」と。この方は、50歳の時そう決意し、「この会社でやり残したと思えることリスト」を作成。5年かけて全部を消し込み(つまり、成し遂げて)、「もう思い残すことはない。定年以降に企業するのは体力が要りそうだから、55歳だ」と外に飛び出されたとのことです。

一人で何もかもするとなると、人脈頼りになる部分があり、そんな時30年以上勤務した元の会社の人間関係が生きたそうです。その時の経験から、私に、こんなアドバイスをくださいました。

「田中さん、若いのと付き合っておいたほうがいいよ。 先輩、年上の人とばかりじゃなくて。 ボクはね、独立して、色んな人に助けてもらったんだけど、先輩は駄目!(笑)。どんどん引退していっちゃう。影響力もなくなる。 でも、若い頃育てた部下とか後輩は、ちょうど旬だし、いいポジションになっていたりして、様々な場面で助けてくれるんだ。」

・・・お酒の席での話ですし、笑いながらのお話でしたが、この「若い人と付き合う」という視点、なるほど、と思いました。

その話を先日、別の会食の席でしたところ、そこにいた一人が、

「うん、それ、ボクもそう思います。年下の人、若い人と付き合ったほうがいい。みんなそうしたほうがいい。」

と激しく反応。彼は私と同年代。

ふと、

「でも、皆が若い人と付き合う、となると、私(たち)のような中高年は年長者と以外付き合ってもらえなくなっちゃうわあ・・・。だって、こちらが付き合いたいと思う若い人は、さらに若い人狙いとなったら、どうしたらいいのかしらん?」

と疑問を口にすると、彼曰く、

「だからね、田中さん。若い人に付き合ってもらえるような中高年になるんですよ!」

・・・おお、その観点、思いつかなかった。

何時だって、若い人に対しては、「こちらが人生、先を歩いているぞ」という”先人”意識があり、だから、「若いヤツを飲みに連れて行ってやった」的な思考を年寄り(私たちのことですw)はしがちだけれど、逆の考え方もあるわけです。

「若い人から付き合ってもらえるような年長者になる」という発想。確かに。

周囲を見れば、後輩、部下からいつまでも慕われて、退職した後でも声をかけられている中高年もいれば、そうではない人もいる。何か困った!と言う時に、若手に助けられる年長者もいれば、手を差し伸べられない人もいるような気がする。

そうか、そうか。

目から鱗。

中高年は、つい「上から目線」をしがちですが、「若手(年下)の人」から「付き合うに足る人物」になる、という発達課題を意識するというのはいいことだなあ、と思った次第。

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