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親子ワーケーションを企画して思う、「大人の働き方を変える」とは「子どもの教育を変える」ということ

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こんにちは、竹内義晴です。

2022年8月21日(日)~23(火)にかけて、妙高「夏休み親子ワーケーション」──自然豊かな高原で大人は仕事!子どもは出会い!を開催しています。

8月21日(日)は、午後に集合して、参加者のみなさんと一緒に歩きながら、妙高市 妙高高原エリア周辺をご案内しました。8月22日(月)~8月23日(火)は、親御さんと子どもたちとで分かれて、親御さんはコワーキングスペースで仕事を、お子さんは妙高ならではの自然体験を......という、仕事と地域体験が両立できるプログラムです。

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それにしても、子どもたちの柔軟性ってすごいですね。最初は、少し緊張気味だった子どもたちも、すぐに仲良くなり、楽しそうに駆け回っていました。親御さんは、子どもたちを安心して預けることができるので、普段の会社とは違った形で仕事をされているようです。

親子ワーケーションのレポートについては、妙高ワーケーションセンターのホームページに改めて書くとして、今日は、「大人の働き方を変える」には「子どもの教育を変える」必要がありそう......というお話をしたいと思います。

働き方は多様になったけれど......

テレワーク・在宅勤務の広がりで、コロナ禍前と比べると、働き方はずいぶんと多様になりました。今回、親子ワーケーションに参加されている8名の方に働き方を伺ったところ、「テレワークをしている」という声が数多く聞かれました。

一方で、どんなに働き方が多様になっても、「子ども」の存在が制約になっていることが多いなぁと、親子ワーケーションを企画していると感じます。

たとえば、独身の方や、既婚者で子どもがいない方だったら、「今度、ワーケーションに行こうかな」と思ったら、「仕事はちゃんとする」という大前提のもと、会社の理解があれば、以前に比べるとハードルは下がってきており、自身の選択で行ける人も増えてきたように思っています(ボクが複業しているサイボウズでは、明らかに増えました)。

一方、子どもがいると、小さな子はどこにいたって手は掛かるし、小学校以上の子どもがいると、学校が休みでないとワーケーションはできません。

その結果、親子でワーケーションをするなら、子どもがいたら春休み、夏休み、冬休みの長期休みか、あるいは未就学児か、あるいは......はこの後で書きますが、とにかく、子どもがいると選択肢が限られるのが実情です。

北海道の保育園に家族連れが殺到

北海道の"保育園"に首都圏から家族連れが殺到 人口3500人の過疎町に何が? という記事を読みました。

記事を引用します。

保育園留学とは、未就学児を持つ家族が厚沢部町に1~3週間程度滞在するプログラム。昨今のトレンド風に言うとすれば、子連れワーケーションだ。現在の予約枠は全て埋まっており、9月以降も100家族以上が順番待ちをしている。

出典:北海道の"保育園"に首都圏から家族連れが殺到 人口3500人の過疎町に何が? | ITmediaビジネスONLINE

厚沢部町の取り組みは以前から知っていましたが、これ、やっぱりすごいなぁ。いいですよね、これ。

地域への往訪や移住で、もっとも課題となるのは、「仕事」と「子ども」。仕事は、テレワークで解決できたとして、残るは子ども。以前から「未就学児を地元の保育園とか、保育ができるNPO法人などに預けられたら、親御さんは安心して仕事ができるから、めっちゃいいのになぁ」と思っていました。

というのも、2022年3月に行った親子ワーケーションでも「5営業日くらいは経験したい」「1週間プログラムもチャレンジしたい」という声があったからです。

でも、保育園や教育機関ではないわたしたちが、1週間、未就学児を安全に受け入れるのは、かなり高いハードルです。以前、市役所に行って相談したことがありますが、特別な場合を除いて、保育園に市外の子どもを預けるのは、さまざまな制約があるのです。

それだけに、厚沢部町の取り組みは、本当に画期的だと思います。子どもを安心して保育園に預けられたら、テレワークができる親なら、滞在したくなりますよね。

未就学児が難しいなら、小学生以上は?

未就学児は難しくても、小学生なら......

でも、繰り返しとなりますが、小学生以上は「学校」という制約があります。

オンラインがこれだけ充実したいま、学び方は学校に行くことだけじゃないとも思います。オンライン授業かなにかがあって、それで出席扱いになるならいいけれど、その未来は、すぐにはムリでしょう。

その結果、親子でワーケーションをするなら、「長期休みのとき」に限られてしまいます。

「平日に、親子ワーケーションってできないのだろうか?」

で、先日、ふと考えてみたんです。「じゃあ、学校に影響を受けない子どもは?」と。想像してみると、何らかの理由があって学校に行けないこともたちの居場所を、ワーケーションのような形で作るのも、いいんじゃないかと思いました。

でも、一言で「学校に行けない子ども」といっても、その状況に濃淡がありそうです。専門家の対応が必要な子どももいるでしょう。安易に踏み込めない領域のような気がします。

ただ......少し話はずれますが、「学校が合わない」「学校が嫌いなわけではないが、気がのらない」といった、何らかの事情があって学校に行くことができていない子どもたちを数名知っています。彼らを観察していると、特別な支援が必要な子もいるとは思いますが、単に「学校が合わない」だけで、特別視しなくてもいい子どもたちが、相当数いるのではないかと思っていて。

そういった子どもたちに対して、むやみに「不登校」というラベルを大人がはるのではなく、今回の親子ワーケーションのような形で、「学校に行けない」という同じ境遇に置かれている子どもたちと一緒に過ごしたり、普段とは異なる自然体験をすることによって、なにか、気づいたり、変化が起こったりすることもあるんじゃないかな? とか、そういった親御さん同士で話すだけで、癒されることがあるんじゃないかな? と思って。

ただ、ここに踏み込むのは、いろんな課題がありそうなので、どんなふうにすべきなのかは、いろんな人の話を聞く必要がありそうだな、と思います。

すみません、話がずれてしまいました。

結局のところ、「働き方を変える」には、「教育を変える」必要がありそう

で、話を元に戻しますが、お話したかったのは、大人の「働き方を変えよう」と思ったとき、子どもによる制約がすごく大きい。本当の意味で、「働き方を変えよう」と思うなら、「教育を変える」必要があるんじゃないかな、と思うわけですね。

とにかく、「平日にできる」ようにしたいんですよね。当初「遊んで、働く」で広がったワーケーションですが、平日仕事をしているわたしたちにとっては、遊びでも休暇でもなく「仕事」だから。テレワークを使った「働き方、学び方の多様化」だから。

在宅勤務やテレワークをするようになって、これまで分かれていた仕事と家庭が、グラデーションを持つようになりました。そのような状況の中で、仕事と家庭を切り離すことはできない。

でも、平日に、親子ワーケーションのような形で、親御さんが働きやすい環境で働いたり、親御さん同士の交流があったり、そして、子どもたちは都市部では経験できない体験をして、普段とは異なる友達と遊ぶ。それって、すごく刺激になると思うし、いい取り組みだな、と思います。

だから、長期休みだけじゃなくて、学校の影響を受けずに平日でもできる方法が何かないかなーって、常々考えています。それが、本当の意味で「働き方を変える」ってことだと思うから。

これからも、もう少し踏み込んでみようと思うと、いろんな制約が出てくると思います。でも、こういったモヤモヤ感を大切にしながら、自分ができることをやっていきたいです。

明日が最終日の親子ワーケーション、もう1日、がんばります。

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