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「思考に形を与える」―考えるのが楽しくなる新しい思考モデルTCM

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こんにちは、竹内義晴です。

前々回前回と新しいコミュニケーションモデルであり、思考モデルである「トライアングルコミュニケーションモデル(以下、TCM)」についてお話しています。

先日、TCM実践講座を受講していただいたIT業界にお勤めのKさんは、受講者専用のFacebookグループで次のようにおっしゃっていました。

『TCMで「思考に形を与えられた」と感じました。ふしぎな表現ですが、自分とコミュニケーションをはかるのにこれ以上のツールを知りません。ありがとうございました。こんな毎日ならいいなーと思える4日間でした。』

TCMは一枚のチャートを使って、誰でも簡単に自分の考えを整理したり、相手の課題や問題点、望ましい姿、その具体的な行動を明確にし、行動につなげるために使います。

今日は、TCMの使い方についてお話ししましょう。

■TCMの使い方

TCMのコンセプトはとってもシンプルで「頭の中にある情報を一枚の紙に映し出すこと」。次のような図を書きます。

Tcmimg_2

具体的には、次の4つのステップを踏みます。

【ステップ1】:自分の「望ましい姿」「抱えている問題」を一言で表す。真ん中に○を書き、その中に考えるテーマを書く

【ステップ2】:望ましい姿が叶うことで何が得られるのか、抱えている問題によって、何を失うのか、核心を繰り返し聞き出す

【ステップ3】:望ましい姿、抱えている問題を4W1Hや、どんなシーンで(視覚情報)、どんな声が聞こえて(聴覚情報)、どんな気持ちか(体の感覚)などの視点で、自分で考えを整理したいのなら自分自身に、相手がいるのなら相手に問いかけ、具体的に聞きだす。矢印を伸ばして書き出し、さらに必要があれば矢印を伸ばして書き出し、発散させる。

※ステップ2と3は入れ替わってもよい。

【ステップ4】:望ましい姿や抱えている問題の全体像を振り返り、確認する

■TCMを使って考えてみる

たとえば、「ブログを書く」ということをテーマに考えてみます。

よく、「アウトプットが大切だ」と言いますよね。多くの方がそう言っているのでみなさんも一度ぐらいは「ブログを書こうかな~」と思ったこと、ありませんか?けれども、具体的に何を書いたらいいのか分からないとか、何の目的で書くのが分かっていないという方もいらっしゃるでしょう。

TCMはこのような「ぼんやりと考えていること」から始めます。

真ん中に「ブログを書く」と書き、○で囲います。

さて、ブログを書く目的について考えてみます。「目的は何か?」と考えてもいいのですが、「目的」なんていうと、なんだか難しくて堅苦しいイメージがあるので、「ブログを書くことで得られることは?」と考え、上に矢印を伸ばし、考えます。ブログを書くことによって得られることは人によってさまざまだと思いますが、ボクなら「日常の記録」「自分の存在や専門性のアピール」「自分の考えの整理」というところでしょうか。

○を描いて、浮かんだ考えを書き込みます。

続けて、その上に矢印を伸ばしてさらに「それによって得られることは?」を考えます。つまり、「日常を記録することで、何が得られるのだろう?」「自分の存在や専門性をアピールすることで、何が得られるのだろう?」「自分の考えを整理できることで、何を得られるのだろう?」という具合です。

実際に考えてみたら、「考えるきっかけ」「仕事の機会」「分かりやすく伝える練習」「自分と向き合う」などの考えが出てきました。

その上に矢印をのばして、さらにさらに考えてみます。「考える習慣」「仕事の機会」「自分自身を知る」などの考えが浮かび、最後は「仕事の楽しさ」「豊かな生活」という気持ちが浮かんできました。

Tcm_blog_2

続いて、下に矢印をのばして、ブログを書くことについて具体的に考えてみます。やり方は単純で、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どのように」「どんなシーンで」「どんな声が聞こえ」「どんな感じがするか」など、4W1Hや5感のキーワードで考え、思いつくまま言葉にし、書き込んでいきます。

ボクの場合は「できるだけ毎日」「どこでも」「主に仕事に関すること」「読者をハッピーに」などのような項目が浮かんできました。4W1Hや5感の言葉をキーワードで考えることで、「ブログを書く」というテーマについて網羅的に考えることができます。

さらに、矢印をのばしてその詳細を具体的にしていきます。あとは書ききれないので、実際に自分で整理したチャートを見てくださいね。さらに矢印をのばし、裾野を広げて具体的にしていくこともできますが、キリがないのでやめました(笑)。

■TCMの特徴

TCMには、次のような特徴があります。

・絵を描きながら考えるので、とにかく楽しい
・やり方がシンプル
・自分(考えの整理やセルフコーチングやカウンセリング)にとっても、相手(コーチング、カウンセリング)にとっても、あらゆるシーンで使える
・三角形からなるイメージは、組織図を連想し「上は大切なもの」「下は具体的なもの」を自然とイメージすることになり、目的を明確にし、考えを具体的にしやすい
・頭の中にある考えの全体のイメージや構造、関連付けや論理性が一目でわかる
・ノート術にもなる
・組織図などで普段から見慣れている形なので、周囲から受け入れられやすい

■TCMで考えることの効果

このようにチャートを描きながら考える、もしくは、相手に問いかけることで次のような効果があります。

・頭の中でぼんやりと考えている詳細なイメージを具体的にする。具体的にすることでイメージが明確になると望みを叶えたくなったり、課題を解決する動機付けにつながったりする。
・下に矢印を描き、三角形の裾野を広げていくことをイメージしながら考えることで、考えを発散、連想しやすくする。
・望みを叶える目的や、課題を放置しておくと失ってしまうことが明確になり、行動の必要性が明確になる。その結果、行動に移しやすくなる。
・コーチングであれば「それを叶える目的」、カウンセリングであれば「抱えている問題の『本当はどうしたい(したかった)のか』(根っこにある気持ち)」が明確になる
・チャートを描きながらコミュニケーションを図ることによって共通の認識が取りやすくなる。お互いの意思疎通が確実になる。
・相手の「本音」がわかり、共感が生まれ、信頼関係が生まれやすくなる

このようなことが期待できます。

今回例に出した「ブログを書く」というテーマは、この記事を書くために選んだありきたりのテーマでしたが、日常、あまり考えることのないテーマで考えてみると、「そうか!ボクがブログを書くのは仕事の楽しさや豊かな生活のために書いているんだな!」という大きなテーマがあることに初めて気が付き、うれしくなりました(これをお読みの方にはこのうれしさは伝わらないかもしれませんが・・・(笑))。

また、どのような内容について書くかについても、いろんな視点をヒントに連想・発散させながら考えることで、改めて具体的にできました。「絶対に批判しない」とか「仕事が楽しくなるヒント」などは、最近ボクがブログを書く上でのキーワードで、それが「文章を通じて読者のみなさんをハッピーにしたい」という思いを改めて確認できました。

このように、TCMは頭の中でぼんやり考えていることを可視化します。それが、冒頭でTCMの受講者Kさんが言った「思考に形を与える」ということ。

こうして絵を書きながら考えると本当に楽しくて、いろんなアイデアが浮かんだり、今まで気が付いていなかった本心に出会えるので、最近のボクのノートはTCMなしには考えられなくなりました。

今日は、TCMの使い方についてお話しました。みなさんも、○を描いて、線を延ばしながら自分の頭の中にあることを紙に映し出してみてください。頭の中が見えるようで楽しいですよ。

なお、TCMの実践例は、@IT自分戦略研究所に寄稿した記事や、公式サイト(精鋭作成中です)で紹介している講座受講者の実践例も合わせてご覧ください。

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