クローズアップ現代 「"コーチ"をつける社長たち」の感想
こんにちは、竹内義晴です。
9/27、クローズアップ現代で「"コーチ"をつける社長たち」が放映されていました。ご覧になりましたか?
NHKのサイトで、その一部が動画で提供されています。
出演されていた田坂広志さん(多摩大学大学院教授)の解説が興味深いです。
現代において、「自分で考えること」の重要性がとてもよく分かります。
以下、NHKのサイトより引用します。
(田坂)今は、答えがあまりよく分からない時代です。何年か前であれば、しばらく前であれば、例のKFSということばがあったんです。キー・ファクター・フォー・サクセス、これは経営において、この業界でこういうタイプの企業は、例えばこの3つのポイントを押さえれば、うまくいくんだということをコンサルタントの方は教えてくれたんです。 けれども今の時代というのは全く逆で、成功のジレンマということばが、よく使われるんですね。過去に成功した企業のことをまねして学んでみてもうまくいかない。
以前のコーチングは、「目標を達成する」のような印象が強かったように思います。コーチからのメッセージも、「夢を実現させましょう」的メッセージが多かったです。
けれども、最近は、円高・不景気・震災など、さまざまな課題が山積していて、何が正しいのか、どうすればうまくいくのかが見えにくく、簡単に課題が解決できそうな感じではない時代です。
過去の成功体験を教えてくれるのがコンサルタント。けれども、今は過去の成功体験をコピペしていてもうまく行かない。先行きが不透明な時代だからこそ、自分で考え、答えを見つけ出していくことがすごく重要で、リーダーの「考えること」をサポートするコーチの必要性も、以前とは違った役割を担ってきているのではないかと、番組を拝見して思いました。
もちろん、リーダーは結果を出す必要がありますから、これまでのような「目標を達成する」ための関わり方がコーチには必要です。それに加えて、先行き不透明な時代にチャレンジして行く際の不安感の解消や、それが、価値あることであることに意味づけするためのリフレーミング、また、リーダーは立場上、気軽に話ができる環境がなく、孤独なので、それをサポートする役割も、コーチにはあるのではないかと思います。
もう一つ、引用します。
(田坂)ある意味では、今の時代の病を裏返して教えてくれていると思うんです。 常に自分の外に答えがある。その答えを誰かが教えてくれればと依存する。 手っ取り早く楽をして、いかにその答えにたどりつけるかということを、いつも考えてしまう傾向がありますね。これはこれからの知識社会の在り方としては、全く逆。 このわれわれの在り方というものをやっぱり考え直さなきゃいけないということを教えてくれていると思うんですね。 答えのない問いを問うというのは、われわれを成熟させていきますね。 そういう意味では、会社だけではない、われわれ一人一人がそういうことを求められているんだなと思うんですね。
そうですね。最近は、手っ取り早く、楽に答えを求めようとする風潮がありますね。「もっと自分の頭に汗をかけ!」と言いたくなることもあります。答えのない問いを問う……これは、本当に私たちを成長させてくれます。「問い」って、大事ですね。
優れたエグゼクティブ・コーチの特徴
私が考える、優れたコーチの特徴は以下の通りです。
・相手の立場に寄り添えること。経営者のコーチなら、経営者を経験したことのあること
・課題は機会であることをさりげなく示唆し、視点を課題から望ましい成果にリードできること
・コーチングはツールであり、コーチングですべてが解決できるわけではないことを知っていること
・リーダーだからこそ抱える孤独感・不安・悩みのサポートもできること
これからのコーチングの研修
番組では、コーチングの社内への導入についても触れられていました。
以前、コーチングは自発的なスタッフを育てるためのコミュニケーションスキルとして流行りました。けれども、今までのコーチングの流れは「手っ取り早く成果を出すツール」「手っ取り早くスタッフを育てるツール」として取り入れられていた事例も数多くあるように思います。このようなスタンスでの関わり方は、結局、答えを外(コーチングというツール)に求めていることになるので、結果としてうまくは行きません。
大切なのは、研修を通じて、「お互いが信頼しあう環境を作ること」「一人一人が考える風土を作ること」だと思います。その中に、スキルがあるのだと思います。
私が考える、優れたコーチング研修は以下の通りです。
・職場で実践した経験を持つ講師であること
・講師の体験や事例(成功・失敗)が豊富であること
・シンプルなコミュニケーションの基本を練習し、職場で使えるようにすること
・習っただけでは使えないので、実践的なワークがあること
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