自発的ではない人が多い職場に起こる4つのストレス
先日、長野県茅野市で企業研修をしてきた内容
『「自発的」な仲間を増やす7つのヒント』
というテーマのトピックをお送りしています。
前回は、「自発的な職場にならない7つの理由」というお話をしました。
「自発的な職場にならない7つの理由」とは、
- どうすれば「自発的」になれるのか分からない
- 「気づこう」と思っても気づけない
- 自分だけでなく、まわりの人に自発的に行動して欲しくても、その方法が分からない
- 今まで、指示・命令ばかりされてきた
- 自発的に行動するメリットがない
- 自分から動くと、仕事を押し付けられる
- 自発的に行動して褒められたことがない
でした。
前回は、この1~3について、詳しくお話しました。
(「自発的」ということについて、
4~7は、オプションと考えていただいて差し支えありません。)
気づきというのは、どちらかというと
「ふと思う」「ハッとする」
という類のものです。
意識して「気づこう」と思ってもなかなか気づけないので、
「もっと自ら行動しなさい」
「もっと気づきなさい」
ということぐらいしか言えません。
「気づき」の仕組みが分からないので、
いつまで経っても、自発的な人が増えないのでは?
・・・というお話でした。
今日は、
「自発的ではない人が多い職場に起こる4つのストレス」
について、お話したいと思います。
■自発的ではない人が多い職場に起こる4つのストレス
自発的ではない人が多い職場では、
次のようなストレスが日常的に起こると、私は考えています。
- 指示・命令ばかりでやる気が出ない(指示・命令し続けられなければならない)
- 周りの人が自発的に動いてくれず、自分の仕事が一向に減らない。
- 協力関係がなく、職場がギスギスしている(雰囲気が悪い)
- 上司や周囲から評価されず(認められず)仕事がつまらない
では、それぞれについて詳しくみていきましょう
■1:指示・命令ばかりでやる気が出ない
職場の中で、多くの上司は
「自発的に動いて欲しい」と考えています。
「自ら気づいて、行動に移して欲しい」のですが、
それがなかなか叶いません。
どうしたらいいのか分からないのだけれど、
それでも、なんとか自分から行動して欲しいので、
「もっと気づきなさい」
「自分から行動しなさい」
「アレをしなさい」
「コレをしなさい」
と、部下に対して指示・命令をします。
言い続ける上司も嫌なものですが、
言われ続ける私たちはもっと嫌ですよね。
けれども、言われる私たちも、
「どうしたら気づけるのか?」が分からないので、
指示・命令され続けなければなりません。
■2:周りの人が自発的に動いてくれず、自分の仕事が一向に減らない
指示・命令し続けなければならない上司は、
仕事をスタッフに任せることができません。
本当は仕事を任せて、
本来、リーダーとしてやるべき仕事をしたいのにそれがなかなか叶いません。
その結果、仕事の手離れが進まず、自分の仕事が一向に減りません。
私がエンジニアであり、リーダーだったときのお話です。
私は、自分が担当しているプログラムを作っていました。
そこに、スタッフがやってきます。
「竹内さん、この書類をチェックしてください」
書類の品質があまり良くないことが続いたので、
顧客に提出するまえに、私がチェックをすることになったのです。
スタッフにお願いされたのですから、
私は手を止め、書類をチェックしなければなりません。
チェックすれば、凡ミスの山。
「このぐらい、自分で気づけよ~」
と思うのですが、
どうしたら自分で気づいてくれるようになるのか分かりません。
その結果、
「このぐらい、自分で気づけよ~」
と直接的に言うぐらいしかできません。
本当は、任せたいのに、任せられない・・・
仕方がないので、書類が回ってくるたびにチェックし続けます。
仕事が一向に減りません。
リーダーだけの話ではありませんね。
スタッフ間でも、同じことが起きていると思います。
■3:協力関係がなく、職場がギスギスしている(雰囲気が悪い)
自発的な人が少ない職場では、
上司の指示・命令によってチームが運営されます。
上司の指示・命令の通りにすることが大切なので、
言われたことをきっちりとすることはあっても、
自分から、それ以上の仕事をしようとする文化が育ちません。
それが進行すると、
「これは私の仕事、あればあの人の仕事」
という雰囲気が高まり、
誰かが悩んだり、困ったりしていても、
職場の中に協力関係が生まれません。
その結果、職場がギスギスしていて、
雰囲気が悪い環境が生まれやすいのです。
■4:上司や周囲から評価されず(認められず)仕事がつまらない
評価とは、期待値に対して、
それ以上のものを与えることで得られることだと思うんですね。
たとえば、100円であんぱんを買ったとします。
「100円のあんぱんなら、これぐらい」
という期待値を、私たちは持っています。
それが、期待値通りの味だったら、
特に、誰かに話そうとは思いません。
期待値以上(100%以上)の味や風味や、
驚きの何かがあったときに、
「この、あんぱんはすごい!」
となり、誰かに話したくなります。
これが、評価です。
さて、職場ではどうでしょうか。
上司は、「自発的に動いて欲しい」という期待値を持っています。
でも、どのようにしたら自発的になるのかは分からないし、
うまく伝えられません。
分からないのだけれど、期待値はそのまま持っています。
一方、スタッフは、
「言われたことをすればいい」と思っている人もいるかもしれませんし、
「自発的になろう」と思っている人もいるかもしれませんが、
「どうしたら、自発的になれるのか?」
が分からないので、
なかなか自発的になれません。
自発的に行動して欲しいと思う上司。
どうしたらいいのかわからない部下。
この溝は、なかなか埋まりませんし、
上司の期待値を超えることができないので、
なかなか評価されないのです。
「気づき」の仕組みが分からないと、
お互いが嫌な気分になるし、
「気づけない自分ってダメな人間なんじゃないか」と思うし、
職場の雰囲気が悪くなる・・・
この悲劇がずっと繰り返されてしまいます。
だからこそ
「気づく」ということは、どういうことなのか、
どうすれば気づきが起きるのかを知る。
そして、職場の中で、
自然と気づきが起きるようにしていく必要があると思うんですね。
この連載の続き、次回は、
『「気づき」とは、一体何だろう?』
というテーマでお話します。
追伸:
連載の途中で、他の記事が入ることもあります(すみません・・・)。
前回の記事は、冒頭にリンクを張りますので、
リンクをたどってお読みいただけますと幸いです。