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【寄稿】信頼を生む専門知識の伝え方――例え話は難しい?

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ITmediaエンタープライズに寄稿しました

信頼を生む専門知識の伝え方

IT業界にいると、横文字の専門用語が本当に多いですよね。会話をするときに、相手も同じ業界の人なら、専門用語を使ったほうが会話がスムーズに進むこともありますが、業界以外の方に同じことを説明しようとしても、なかなか説明できなかったり、横文字をそのまま使って「何それ?全然意味がわかんない・・・」と、怪訝な顔をされたことがある方も多いのではないでしょうか?

IT業界に限らず、わたしのもう1つの側面であるコーチング業界でも同様です。横文字や難しい専門用語を多用される方もたくさんいます。難しい言葉でおなか一杯です。

これをお読みのあなたの業界でもそうかもしれません。

専門知識を他人に説明するのは、本当に難しいですね。でも、専門知識は相手に伝わって初めて、その価値が生かせるのではないかと思います。

わたしが専門知識を使わずに伝えるようになりはじめたのは、メールマガジンの執筆がきっかけです。わたしのメールマガジンでは、コーチング、リーダーシップ、マネジメント、組織作り、モチベーションアップ、自分自身との関わり方など多岐の分野にわたる情報をメールをお送りしています。

始めのころは専門用語を使ったり、スキルや言葉の説明をしたりしていましたが、読者さんからの反応を頂くことが少なかったんですね。そこで、「誰にでも分かる」ように専門用語を使わないようにしたり、自分の体験談や、寄稿記事に書いたような「例え話」を入れることによって、コメントを寄せてくださる方が徐々に増えてきました。この経験で、改めて「伝わるように伝えなきゃダメなんだな」と思いました。

それは、些細な工夫なんです。あえて専門用語を一切使わずに、平坦な言葉で表現したり、「すごく広い」を、「まるで海のように広いんです」と表現したり。

先日出版させていただいた、「職場がツライ」を変える会話のチカラも、わたしの職業や活動の紹介以外は専門用語を1つも入れずに書きましたが、少し意識すると専門用語を使わなくても表現できることがたくさんあるなと実感しました。

■例え話を作るのは難しい?

記事に関して、ツイッターでコメントをいただきました。記事では「例え話」に触れていますが、「例え話を作るのは難しい」というコメントです。ご指摘のように、会話中に例え話を瞬間的に考えるのはとても難しいです。わたしも上手くできません。

でも、まだ諦めないで下さい。瞬間的に考えるのは難しいですが、普段から意識することで上手になれます。

わたしの場合は、メールマガジンやブログを書くときにがトレーニングの場になっています。できるだけ平坦な言葉を使い、誰もがわかるような例え話を織り交ぜるようにしています。瞬間的には考えられなくても、文章を書くときならゆっくり例え話を考えることができます(たとえば、こちらのブログ記事ではメンタルヘルスを子供の歯磨きにたとえています)。

また、普段から目の前にある出来事に対して、「これと同じような構造はなんだろう?」と考えています。全く異なる事柄の中に同じ構造を見つけると、何だか「世紀の大発見」をしたような感じがして楽しくなります。自分で発見した構造を「○○の法則」と名づけて遊んでいます。

あまり難しく考えると頭は凝り固まってしまうので、リラックスしながら気楽に、「例え話」を作ってみてください。普段からいろんな構造に注目し、例え話を考えておくことで、「例え上手」になることができるようになると思いますよ。

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