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国の給付金を調べて気がついた、メンタルヘルスに関する施策の矛盾

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昨日は、組織活性化に関する国の給付金というお話をしました。

組織やヒトの教育は、「給付金があるから行う」という性質のものではありません。給付金に頼らず、会社自身で行っていくのが基本だと思います。

その一方で、制度があるのなら積極的に活用すればいいという意見も持っています。昨日の記事をご覧頂き、もし、みなさんの会社で活用できる制度があれば、活用されてはいかがでしょうか?

さて、今日は、「国の給付金を調べていて気がついた施策の矛盾」についてのお話です。

私の仲間が、4月よりカウンセラーとして独立しました。昨今、社員のメンタルヘルス問題に悩む企業も多いと聞きます。国の支援策が何かあるのなら、それをクライアントに提案していくのもいいのではないかと思い、どんな施策があるか調べていました。

「メンタルヘルス 助成金」というキーワードで検索すると、「中小企業職業相談委託助成金」というものがあることがわかりました。PDFの資料によれば、

中小企業で働く労働者の職場定着を図るため、メンタルヘルス相談を含めた職業相談業務を外部の専門機関等に委託した場合、委託に要した費用の一部を助成します。

メンタルヘルスは社会問題化しています。以前、なぜ今『「聞く姿勢」は職場で苦しむ仲間を救う』ことが必要なのかという記事の中で、職場におけるメンタルヘルスの重要性について触れました。この施策の存在を知り、「国も問題意識を持っているのだな。さすがだな。」と、感動すら覚えました。

しかし、感動が落胆に変わるまでに、それほど時間はかかりませんでした。さらに調べていくと、この助成金は廃止になっているようです。

そこで、メンタルヘルスに関する施策はないのか、独立行政法人 雇用・能力開発機構に電話をしてみました。「メンタルヘルスに関する問い合わせはかなり頂いていますが、関連する施策はありません。」とのこと。施策の存在を知ったときは感動すら覚えたのに、「今まであったものが、なぜ廃止に?」という気持ちが浮かび、落胆しました。

厚生労働省の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策・心身両面にわたる健康づくりというサイトには、メンタルヘルスに関する法律や指針について書かれています。大切だといってる一方で、施策が廃止されていることに矛盾を感じざるを得ませんでした。

この記事の冒頭に、『組織やヒトの教育は、「給付金があるから行う」という性質のものではありません。給付金に頼らず、会社自身で行っていくのが基本だと思います。』と書きました。その思いには変わりありませんが、社会問題となっている今、何らかの施策が検討されてもいいように思います。

自殺防止、厚労省に特命チーム 3月までに対策第1弾という記事によれば、自殺予防に関する対策を急いでいるとのこと。その原因の1つに、メンタルヘルスの問題が掲げられています。「なってから」の対応も大切ですが、「なる前」の職場単位の対応が大切ではないかと考えます。職場での対応が基本とはいえ、職場の一人ひとりを救う施策が出来ることを願ってやみません。

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