農業からビジネスを学ぶ
タケウチです。
北の方から、雪の便りが聞こえてきました。寒いわけです。今まで外で育ててきた観葉植物を家の中に入れてあげないと。
前回の記事は、わたしが農業をやってみて「農業とビジネスの構造は同じだな」と思ったというお話をさせていただきました。
農業をやってみて次のような視点を学ぶことができましたので、みなさまにも共有したいと思います。起業してから今日のことを考えてみると、うまく行ったこと、いかなかったことなどたくさんありますが、「大きな流れ」を知っていれば、もっとスムーズだったかもなぁと思います。
リストアップしてみると、どれもこれも当たり前のことばかりなのですが…
■種を植えなきゃ芽はでない
今まで、やろうと思っても結局農業をやってきませんでした。近くに環境はあるので見よう見まねで語ることはできますが、種を植えなきゃ芽は出ない。理論だけじゃだめということが身にしみました。
それ以来、体験していないことは偉そうに口にしないように気をつけています。
■種を植えるためにはタイミングが非常に重要
同じ種を同じ畑に植えても、植えるタイミングがずれるとうまく成長してくれません。一方、タイミングがピタッと合うと本当に良く育ちます。
ビジネスでは「成長カーブ」として参入のタイミングが重要と言われますが、農業を体験してみると理論以上に重要ということがよく分かりました。
タイミングがあっても2割ぐらいは芽が出ないのですが、8割の種は育ちます。「2:8の法則」というのがありますよね?今回体験したのは「8割育つ」なので通常とは逆ですが、2と8というのは経験則としてやっぱり何か意味があるのかなと思いました。
■選択と集中
畑に種を植えるのは植えればいいというわけではなく、適当な間隔が必要です。そのために「間引き」をするのですが、せっかく芽が出たものを抜いてしまうのはもったいないと思いつつ、ちゃんと間引いてあげないと育ちません。
ビジネスでも選択と集中と言いますが、限られたリソースを最大限に生かすには、間引くこともとても大切なんだなと実感しました。
■成長するために必要なものはきちんと与える
種を植えただけではなく、水、肥料を継続してあげないと、植物はちゃんと育ってくれません。
ビジネスでも、立ち上げるのは簡単ですが、面倒で地味なことでも愚直にやり続ける重要性を知りました。
■植える、芽が出る…あと必要なことは「待つ」
農業をやってみて、この「待つ」というのが本当に重要だと思いました。早く実がなって欲しいので待てないんですよ、これが。最初のうちはたくさん肥料をあげすぎたりして(笑)。
わたしが起業したときも同じだったことを思い出します。早く結果が欲しいのでむやみに不安になったり、表面的な解決策をいろいろと試すも効果薄だったり…。
種をまいて、愚直に努力・改善して、あとは信頼して「待つ」。この学びは非常に大きかったですね。
■植えた場所に比例して成長する
おもしろいのですが、同じ種をプランターに植えるのと、畑に植えるのでは、畑に植えたほうがよく育つんです。場にあわせて育つみたいなんですよね。
自分が大きな器になるように、出会いの場を求めて社交を広げる重要性がよくわかりました。
■うまくいかないときは勇気を出して手放すと、新しい芽が出る
8割の芽が出ても、時に途中で病気になったり、成長がとまったりするものがあります。そういうものは処置するなり、抜いてしまうなりしないと他に広がる可能性があります。ダメなところを切ってあげることで、新たに芽吹いたりします。
「もったいない」という気持ちが働くので思い切って処置をするのは勇気がいりますが、ダメだと思ったときは、勇気を出して手放すことも必要だと思いました。
■ある程度育つと、収穫が追いつかないほど育つ
成長カーブにも通じますが、収穫の時期になると毎日異常な勢いで育つので、毎日食べれらないほどの野菜三昧になります。
これを目指して、ビジネスも進めたいものです。
■いつかは枯れ、そして、また咲く
季節がくれば、野菜は必ず枯れます。幸いなことに自然は種を残してくれるので、また来年のために種を取っておきます。
これもとても大切だと思いました。同じことをしていて永続はありえません。成長カーブにあわせて、次は何をするか時流を見て次の流れの準備をする。そういう時期も必要ですもんね。
こうやってまとめてみても、「あぁ、やっぱり農業とビジネスは同じだな」と思います。それを、農業で擬似的に体験できたのはとても有効でした。ミクロ的なことは、それぞれの世界でより専門性を高めるべきですが、「成長」というマクロ的な視点を磨くにはホント、勉強になりますよ。特に、「愚直に努力する」と「待つ」は。
畑が無くても、プランターでも野菜は栽培できます。学びが多いし、しかもおいしく食べられますので(笑)。